今回は赤ちゃんに与える母乳の影響についてお話ししていきたいと思います。
赤ちゃんが誕生した後に最初に飲む母乳。
母乳にはさまざまな働きがあります。
自分の赤ちゃんの健康や脳の発達などを考えるとミルクではなく母乳を与えることが大切です。
では、母乳が与える赤ちゃんへの影響について詳しく見ていきましょう。
母乳は子供の脳を良くする
昨年、学術誌「小児科学」で面白い実験結果が発表されました。
この実験では生後28日間の赤ちゃんに母乳を多く与えた場合と、そうでない場合を比べ、7歳時の脳の発達について調べたものでした。
この実験の結果、母乳を多く与えられた赤ちゃんの方が7歳児における灰白質の量が多いことがわかりました。
灰白質(大脳皮質)とは、IQや記憶力や計算能力、運動能力に大きく関わってくる部分です。
神経細胞(さまざまな力を身につけるために形成されるネットワーク)が集まっていて、脳のなかで重要な部位になっています。
つまり、生後28日間により多くの母乳を与えられた子供の方が、そうでなかった場合の子供に比べて、IQや記憶力などの認知能力が高いことがわかったのです。
自分の子供に頭が良くなってほしい、健康になってほしい、運動が他の子よりできるようになってほしいと思う方は多くいらっしゃると思います。
もしそのような優秀なお子さんを育てたければ赤ちゃんのときにしっかりとお母さんの母乳を与える必要があります。
また、2013年のの科学誌「ニューロイメージ」では、母乳で育てられた子供は、人工ミルクを与えられた子供に比べ、2歳ごろまでに脳の白質が20から30%多くなっていたことが発表されました。
このことからも母乳が赤ちゃんの脳の発達に大きな影響を与えることがわかりますね!
母乳は体を強くする魔法液
まだまだ未熟で無力な赤ちゃんの体を強くし、抵抗力を高め、体調に合わせて最適な栄養を届けてくれる、それが母乳です。
母乳には赤ちゃんの未発達な免疫機能を高めて消化を促す成分が豊富に含まれています。
また、それだけではなく赤ちゃんの状態を「診断」する役割もあります。
お母さんのおっぱいの部分にある「乳腺(にゅうせん)」は、赤ちゃんの唾液から現時点での赤ちゃんの「状態」を読み取り、どんな免疫が必要かを判断することができます。
そして、その情報をもとに赤ちゃんにとって最適な成分を母乳に含めることができます。
いわば、母乳は、その赤ちゃんにピッタリのオーダーメイドなのです!
また、母乳には「免疫グロブリンG」という抗体が含まれています。
これは、赤ちゃんの体に侵入した病原体をと闘う機能だけでなく、赤ちゃんの腸内の細菌に適切に反応するよう指導していることが科科学誌「セル」によって明らかになりました。
つまり、生まれたての赤ちゃんの腸にある微細な細菌に対しての対応の仕方を教えてくれる役割があるということです。
赤ちゃんが大きくなっていくなかで、体内に入ってきた細菌などに対しての免疫システムが正しく機能するように働きかけることも母乳の大事な役割の1つなのです。
可能なら母乳を与えること
母乳は子供が赤ちゃんの時期にしか与えることができません。
また脳に関しても歳を重ねるにつれてどんどん変化しにくくなっていきます。
さらに、母乳は、赤ちゃんの体を守るための免疫システムにも大きな影響を与えます。
これらのことを踏まえると赤ちゃんのうちにミルクではなく母乳をしっかりと与えてあげることが大切です。
今お腹の中に赤ちゃんを授かっている方やこれから子供みたいと思っているお母さんは、子どもが産まれたら、募集をたくさんあげられるようにしっかりと準備しておきましょう!
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