こう変わる!大学入試改革による英語の4技能型入試の現状と対策方法

近年、学校教育や入試制度の英語において、大きな変化が起きています。

また、それにともなって、英語教育の在り方も問われるようになってきています。

その中で英語教育において「4技能」という言葉をいろいろなところで聞くようになりました。

その一つの要因としては2020年の大学入試改革があります。

2020年以降に、センター試験などが廃止され、記述式の問題に変更するなど、いろいろな情報があり、混乱していると思います。

その中で、英語の入試問題や形式も大きく変わろうとしています。

そこで、今回は以下のポイントについて、解説していきたいと思います。

■「英語の4技能」とは何なのか
■4技能重視による影響
■大学入試における英語の変化

現在の小さいお子さんや小学生、中学生は、ある意味、小学校の英語教育や大学入試変革の実験生にあたる可能性があります。

そのため、しっかりとシステムが確立されないない中で、いかに先を見越して準備できるかがポイントになります。

ぜひ、2020年の大学入試改革のタイミングとかち合うお子さんや小さいお子さんをお持ちの保護者の方や先生方は読んでいただきたいです。

では、見ていきましょう。

4技能=「話す・聞く・書く・読む」

英語の4技能とは「話す」「聞く」「書く」「読む」という4つの力を意味します。

日本の英語教育では、すでに「聞く」「読む」「書く」の教育が形状はおこなわれています。

個人差はありますが、学校の授業や大学受験勉強などを通じて英語を学んできた方がほとんどだと思います。

具体的には、以下のように対応しています。

聞く→リスニング
●読む→長文読解など
●書く→英作文など

これらを踏まえると、4技能重視になって、一番影響を子どもたちに与えるのは「話す」という点になります。

つまり、英語の「スピーキング」が2020年の大学入試改革でポイントになる点です。

そのため、2020年以降に大学受験をする予定であるお子さんは、小学校・中学校の時期からしっかりと「スピーキング」を意識した英語の勉強をしておくことが大切です。

また、2020年に学習指導要領が改訂され、小学3・4年生から英語教育が導入される予定ですが、その改革においても、「英語の4技能の向上」が一つの目標として設定されています。

そのため、日本のすべての教育機関で一貫して、「話す」「聞く」「書く」「読む」という英語の4つの能力が重視される傾向にあります。

日本の子どものスピーキング能力は乏しい

現在、中学や高校で英語教育を受けている生徒のスピーキング力は残念ながらアジアなど英語圏でない国の子供とくらべても低い状態です。

この原因としては大まかに以下の2点が考えられます。

・日本の英語教育において「話す」練習や機会が圧倒的に少ない

・発音を気にしたり、正しい英語にこだわる人が多い

そのため、みなさんが思っている以上に「スピーキング力」を鍛えることは現在の環境ではむずかしいです。

そのため、はやめはやめの準備が欠かせません。

4技能型試験を導入している大学は年々増加

すでに、上智大学や立教大学をはじめ多くの大学で、4技能型の英語試験が導入されております。

TOEFLやTEAPなど外部の資格検定試験を受験して結果のスコアを提出すれば、英語の試験は免除になる制度が立ち上がっていることはご存知でしょうか?

TOEFL、英検、IELTS、TEAP、ケンブリッジ英検などの試験で代用していこうという動きです。

さらに立教などを中心に英語の資格試験を立ち上げる動きまであります。

このように大学入試において数年前から少しずつ4技能型の英語試験を導入している学校が増えてきています。

おそらくですが、2020年以降は英語入試において4技能型の試験は免れることができないと思います。

2020年以降の4技能テストの導入は、まずは国立から

知人の某有名大学の准教授のお話によると4技能テストの導入が多くなされるのは、国立大学からとのことです。

※名前は明かすことができませんが、実際に小学校の英語教科化などにも携わっている方です。

私立大学に関しては、すぐに現在の独自のテストをやめて4技能のテストを導入する可能性は少ないとのことです。

ただ、文科省からは国立大学だけでなく、私立大学にもプレッシャーをかけているそうです。

そのため、文科省からの圧力が大きくなったら、上智大学のように、私立大学でもTOEFLやIELTSなどの4技能試験を導入する可能性は十分にあります。

そのため、いずれにせよ大学受験で4技能の試験が2020年以降には必要になると考えられます。

スピーキングはグローバル社会を生き抜くためにも必要

日本の英語教育で4技能が重視されてきている理由としては、グローバル社会において英語によるコミュニケーション能力の向上が必要になるからです。

今までの英語教育のように、ただ単語を覚えたり、文法を学習したり、長文を読んだりするだけでは、本当に使える英語を学ぶことはむずかしいです。

実際に英語をつかって自分の意見を主張したり、その根拠を言うことができたりする能力が求められます。

私も実際に上智大学の英語入試で導入されている4技能型試験「TEAP」という国際基準のテストを受けたことがあります。

そして、そのスピーキングテストで面接官に質問してきた内容には驚きました。

ちなみにTEAPを受ける生徒は高校生がほとんどです。

話を戻しますが、TEAPのスピーキングテストで私は以下の質問を聞かれました。

●日本の教育では体罰が問題になっているが、それについてどう思うか。

●最近のニュースで気になったものについて説明してください。

このように、大学受験をする高校生には難しいと感じる質問がいくつかありました。

しかし、裏を返せば、高校生の時点でこのレベルの質問にしっかりと根拠をもって自分の意見を主張できる英語能力がブローバル社会では必要になるということです。

これらの質問に答えるには、以下の2つの力が必要になります。

●一定以上のスピーキング能力

●ニュースなどの時事問題に関する基礎知識
(近年の社会問題など)

いずれも一朝一夕に身につく力ではないので、日頃から意識して鍛えていくことが大切になります。

今の小学生や中学生は現状の大学入試よりも難易度の高い試験を受験することになります。

少子化とはいえ、大学の学部統合などが進んでいるなかで、有名大学や難関大学への進学をしたいと考えている方ははやめはやめの準備が必要になります。

学校の英語だけで4技能が伸ばすのは厳しい

文部科学省が発表している小学校~高校においての英語改革などの情報をみても、学校の英語教育だけで4技能が十分に養えるかというと、その可能性は低いです。

なぜなら、以下の点が現時点でしっかりと対応できていないからです。

□教員の質や養成システムの構築
□カリキュラムや教材
□授業内容や形式

また、2020年前後の子どもたちに関しては、ゆとり教育のように実験生となる可能性が高いです。

このような大きな改革は、その実験生たちを通して、のちのち授業形式やカリキュラム、方針などが変更されて、確立していくことが多いです。

そのため、数年違っただけで授業内容にも大きな差が出て、結果的に学力にも大きな格差ができるリスクもあります。

この点をふまえると、ご自身のお子さんが英語教育に荒波にのみ込まれないよう、将来を考えた本当に意味のある英語学習の準備が必要です。

極端にいってしまえば、学校の英語授業に期待をしないで、オンライン教材や通信教材、
英語教室などでしっかりと子供の英語能力を鍛えていく必要があります。

小学校の英語の教科化などは賛否両論ありますが、英語がこの先必要になるのは確かです。

「書く」「読む」「聞く」力だけでなく「話す」力が重要になることも間違いありません。

そのため、これを機にどのように子供に英語教育をしていくかを考えることが大切です。

さいごに

ここまで、英語の4技能についてやその影響についてお話してきました。

今、みなさんのお子さんは激動の時代の中で生きています。

グローバル化が進み、日本の大企業などもいつ崩れるかわからない恐い時代です。

そのため、将来お子さんが外国の会社(外資系企業)などでも働いていける、

「強いハート(本番につよい力)」

「英語能力(言語能力)」

をしっかりと早い段階から準備していくことが大切になります。

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