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「幼児から英語を聞き流すことは効果があるの?」
「英語のアニメや映画を見させとくのっていいのかな?」
子どもの脳の発達や発音の観点などから、なるべく英語を早く聞かせたいほうがいいというのはよく言われますよね。
たしかに「L」と「R」の聞き分けなどの点から考えると、なるべく早めに英語に触れておくことは大切です。
ただ、「聞き流しでいいかどうか」というと答えは「NO」です。
これは「聞き流し」の効果がまったくないというわけではありません。
でも、「聞き流し」だけでは効果半減になってしまったり、どうしても親御さんがラクな分、正当化して聞き流しを不必要に多くしてしまったりすることがあります。
また、たとえば、30分聞き流しの時間を設けるとして、15分だけ親子でいっしょに英語に触れて、楽しむだけで、大きく子どもの脳への刺激も変わります。
そのため、今回は効果的な聞き流しの英語学習方法や「聞き流し学習」の注意点などについて元英語講師(幼児・中学生対象)の僕がご紹介します。
【早くから英語を聞くことは大切!】
「L」と「R」の聞き分けは生後10ヶ月~1歳
「聞き流し」とは少しニュアンスがちがいますが、「英語を聞くこと」自体は大切です。
よく、日本人は「L」と「R」の聞き分けがむずかしいと言われますが、これはそのとおりで、ワシントン大学学習科学研究所の研究では、「L」「R」の区別は生後10カ月~生後1歳頃までに学ぶという発表があります。
ただ、大人にったら前後の単語や文脈のなかで「R」と「L」の聞き分けを推測することはできるので、ぜったいに必要な能力かどうかと言われてたら、むずかしいですが…。
でも、もし、なるべくネイティブの発音に近い状態にしたいということであれば、「L」と「R」の聞き分けができないと、自分で話したときも使い分けがむずかしくなるので、そういった意味では、早期から英語を聞いて、「L」と「R」を聞き分けることができるようになることは大切になります。
そのため、ここまでのことをまとえると、なるべく早い段階から英語を聞くことで得られるメリットがあります。
個人的には、生後8ヶ月くらいから英語を聞き流せる環境を整えることがよいと考えています。
【聞き流すだけでは効果半減!】
人とのコミュニケーションが特に大事!
ちょっと話は変わりますが、幼児の英語学習と大人の英語学習の大きなちがいはなにか…。
正直、大人は英語を聞き流すことで、耳を慣れさせることができます。
ただ、大人が英語学習をするときは、
「英会話を身につける」
「ビジネス英語を身につける!」
「TOEICでいい点数を取る」
など、明確に目的が決まっていますよね。しかも、そのほとんどの目的は「英語に関連すること」です。
ただ、幼児の場合、ちょっとちがいます。
親御さんは、
「バイリンガルになってほしい」
「英語ペラペラになってほしい」
と思っているかもしれませんが、これだけを目的とすると、英語を教えるときの「幅」が狭くなります。
そのため、小さい子ども(幼児から小学校中学年くらい)に英語に触れさせるときは、「脳への刺激」も意識してください。
小さい頃の英語の学習は、英語のスキルを身につける役割も多少はあると思いますが、それよりも「脳へのさまざまな刺激を与えるツール」としての働きが個人的には大きいと思っています。
『脳への刺激』という観点から考えると、「聞き流すだけ」は子どもにとって本当にいいことなのでしょうか?
きっと、
「聞き流すだけじゃ刺激が少なそうだなぁ・・・」
と心の中で感じてくださったと期待しています…!
そのため、ただ「英語の発音がよくなってほしい」「”L”と”R”が聞き分けられるようになってほしい」と思うと、聞き流しが効果的と思うかもしれませんが、脳への刺激としての働きを考えると、いっしょにコミュニケーションをとったり、体を動かしたり、英語の歌をいっしょに歌ったりすることの意味がご理解いただけると思います!
【驚くべき研究結果が…】
言語学習に「人間」の存在は必要不可欠?
かの有名なプレゼン動画がたくさんアップされている『TED』。
そのなかで興味深い研究があります。
それは、パトリシア・クール(Patricia Kuhl)博士の『The linguistic genius of babies(放題:赤ちゃんは語学の天才)』です。
これはさまざまな研究結果が報告されており、言語習得に臨界期があることも示されていいます。
今回、この研究のなかで注目したいのが「音を習得するプロセス」です。
この実験では、第二言語を全く聞いたことのないアメリカの赤ちゃんに、臨界期の初期の段階で、中国語(マンダリン)にふれさせる実験を実施し、赤ちゃんが音を習得するプロセスで人間がどんな役割を果たすのかを調べました。
AグループとBグループの2つに分け、条件を以下のように変えました。
Aグループでは、赤ちゃんにテレビを通じて12セッション分のマンダリンにふれてもらいました。
※中国語を話せる人がテレビの画面越しではありますが、セッションをします。
Bグループでは、モニター上でテディベアを見せながら、音だけでマンダリンにふれさせました。
その結果、Bグループの音だけ聞いていた赤ちゃんは何も学びませんでした。
つまり、赤ちゃんがその言葉を学ぶには、人間が必要なのです。
【お母さんの大切な役割は◯◯!】
早期の英語学習における親の大事な役割!
よく、自宅で早期から子どもに英語を触れさせようとするとき
「私は英語をじょうずに発音できないけどいいのかな」
「英語ぜんぜん得意じゃないから教えられない…」
という不安になってしまいますよね。
たしかに、親御さんが英語ペラペラで、バイリンガルならそれに越したことはないですし、教え方もふつうの保護者よりも上手かもしれません。
ただ、そのようなご家庭はごく一部です。
また、特に幼児期の場合は、英語を「教える」という発想はいりません。
むしろ、重要なポイントは親御さんの英語スキルや発音などではありません。
早期の英語学習において、親御さんの最大の役割は「いっしょになって楽しむこと」「合いの手」です。
???
となったと思います。
ただ、これが本当に大切です。
たとえば、家庭ですぐにできるものとして、親子で英語の歌をいっしょに歌ったり、そのリズムに合わせて踊ったりする方法があります。
(ちなみに、子ども向けのキャッチーな英語の歌はYoutubeなどにもいっぱい載っているので、それで十分です。)
先ほどのパトリシア・クール(Patricia Kuhl)博士の実験でも明らかになったように、人間の存在は脳への刺激になり、その結果、言語習得にもプラスの影響をもたらします。
そのため、例えば音楽を流しっぱなしにして放置しておくだけだとせっかくの効果も半減です。
このとき、子どもと一緒に歌ったり、踊ったり、リズムにのって体を動かしたりすることが大切です。
もちろん、英語にふれるという意味でも大事ですが、脳に刺激を与えるという意味でも一緒にやったり、コミュニケーションを取りながら英語に触れることは大切です。
また「英語の絵本」を活用するときも同じです。
いっしょに読みながら、「How many?」「What’s this color?」「何個ある?」「これは何色?」みたいな感じで質問を投げかけてみましょう。
(このとき質問自体は日本語でもOKです!)
質問に対して、子どもが英語で答えられなくてもぜんぜんOKで、指差しや日本語で答えることができたら、むしろ褒めてあげましょう。
(指差しや日本語で答えることができているということは意味を理解している、つまり、聞き取りができているサインになります。)
そのため、このように相互にコミュニケーションを取りながら、読んであげることも大切です。
(このときもご自身の英語の発音などを気にする必要はありません。)
また、ご自身の発音がどうしても気になる場合は、朗読CDが付いているものを使用して、合いの手を入れてあげるようにするの一つの方法です。
【最初は家庭でも全然OK!】
さいごに
ここまで、子どもの早期英語をするうえでの「聞き流し」の注意点などについて解説してきました。
個人的には毎日15分~30分ご家庭でお時間をさけるのであれば、自宅から始めてもぜんぜん大丈夫だと思います。
むしろ、最初の時期は自宅で親御さんといっしょに余裕をもちながら楽しむことができるので、個人的には家庭での英語学習もオススメです。
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