2020年に学習指導要領が改訂された後、小学5・6年生では、英語が教科化します。
つまり教科書などが用いられ、かつ成績もつく可能性があるということです。
そのため、今もし英語学習を始めていないお子さんは、将来社会に出たとき、小学校で英語教育を受けてきた子どもたちと競争することになります。
そのときに、英語力で差をつけられる可能性があります。
また、今のお子さんたちが社会に出た時は、海外からの人材が日本に入ってきたり、海外の企業が日本に進出したりするため、日常でも英語力が必要になります。
これらのことを踏まえると、早い段階から英語をしっかりと学習し、実践レベルで使えるようにする必要があります。
ただ、この目標は現時点での学校教育だけではおそらく難しいでしょう。
つまり、家庭であったり、英語教室であったりのプラスαの勉強が必要になります。
そこで、今回は以下のポイントについてお話していきます。
■小学校5・6年生の英語学習のコツ
■高学年の子どもが重視するべき力
■英語4技能の勉強順序
高学年の子どもの脳は「聞く」だけじゃ意味がない
小学校5・6年生の脳は幼児や低学年の子どもみたいに英語で聞いたものを耳で識別して、発音できるほど柔らかくはありません。
そのため、英語を浴びせるように聞かせるだけでは何の意味もありません。
よくDVD教材や音声教材などを流しっぱなしにしているだけの方がいますが、それだけでは効果は得られないでしょう。
しかし、正しい発音をしっかり耳に入れる(インプット)ことは大切です。
それと同時に自分の口で実際に発音してみる(アウトプット)も必要になります。
「インプット+アウトプット」で英語学習を行うことが大切になります。
アウトプットが重要な理由として、英語の4技能の重視化があります。
今の小学生のお子さんが大学受験をするときには、2020年以降になっているはずなので…。
大学受験でセンター試験が廃止され、英語では「4技能」を測定する試験が実施されるでしょう。
そのため、従来の「聞く」「読む」「書く」にプラスして「話す力」が求められます。
しかし、こればっかしは普段から英語を話しているか、発しているかがポイントになります。
いくら英語のペーパーテストで高得点をとれているからといって、英語を話せるというわけではありません。
そのため、しっかりと小学生の段階から、「英語を発する」ということを習慣化して、以下の2点を鍛えることが大切です。
●英語を話すことへの抵抗(恥ずかしさなど)
●自分の言いたいことがスムーズに英語で口から出る
そのため、インプットとアウトプットはしっかりとセットで学習しましょう!
英語を聴いて、スクリプトを見ながら発音!
まずは、
「聞く」→「真似して発音する」
という流れでインプットとアウトプットを同時にやることが大切です。
そのため、教材を選ぶときには、テキストに音声にCDが必ずついており、かつスクリプト(音声の原稿)と日本語訳がついているのがおすすめです。
最初に、音声を3回ほど流して、子どもと耳を立てて確認しましょう。
音声が終了したら、次に子どもが真似して発音するという流れになります。
このときテキストは見てOKです!
ポイントは、音声から聞こえた音をそのままリズムなども含めて真似するイメージです。
英語の発音は単語と単語を繋げて発音したり、単語の並び順で音が変わったりなどします。
(これがフォニックのルールというものです。)
しかし、いきなりルールを一から勉強するより、まず正しい発音している音声の真似を素直にするほうが子どもにとっては簡単です
そして、それを5回ほど繰り返したら、今度はテキストを見ないで、音声が流れた後に、それを真似するように発音していきましょう。
そうすることでしっかりと覚えることができます。
その最後のまとめとしては、そのCDの音声の内容を聞かないで暗唱できることがベストです。
もちろん全部ではなく一部でも構いません。
それができればしっかり頭に入っているということになります。
以上のように、必ず、小学校高学年の子どもの場合は「聞く」だけでなく、「音読」するということも忘れないでください。
アウトプットすることがとても大切です。
中学年向けの絵本や本を毎日3ページずつ読む
小学5・6年生の段階では、少しずつ読む力を身につけていく必要があります。
使う教材に関しては小学校中学年、英語にまったく触れたことがなければ、低学年向けの英語の絵本などを活用してください。
また、できればCD(音声)付きの方が良いです。
日本では、現在中学1年生になったら、英語の勉強が本格的に始まります。
そして、まずは英単語・英文法を勉強していきます。
しかし、一番効果的な方法は、実際に絵本などの簡単な文章を読みながら、少しずつ文法や単語を学んでいく方法です。
いきなり、英単語や英文法だけを教えると、子どもはすぐに飽きてしまいます。
文脈のなかで勉強していくこと大切になります。
スポーツと英語はいっしょです。
なにかスポーツをやっていて、うまくなりたいとき、みなさんはいきなりルール本などを読みますか?
そうではないと思います。
まず練習してみて、その中でコツを掴んでいどんどん上手になっていくと思います。
英語も同じです。
英単語や文法はルール本に近いです。
そして英語の多読が実践練習です。
そのため、最初から絵本などをたくさん読んで実践の中で英単語や英文法を学習するようにしてください。
※大学受験英語などの勉強法とは違います。
今回は、小学生が英語を勉強することが前提なので、このように勉強法をお伝えしております。
大学受験英語などの場合は、難しい英文法や複雑な英文が出されるため、最初にある程度のルールをしっかり学ぶことができます。
ただ、小学生英語の場合は、あらかじめ英単語や英文法などルールを学んでいなくても、英文を読むことで同時に学ぶことができる難易度のため、上記で紹介したような勉強法を薦めております。
また、英語の文章を読んでいく上で、わからなかった単語や、英文はノートに日本語の意味といっしょに書いてあとで見直せるようにしましょう。
そうすることで効率的に復習することができます。
また、読んだ文章に関しては、できれば暗証できるレベルまで持っていきましょう。
そうすることできちんと頭の中に知識をいれ、かつアウトプットできるようになります。
英単語ではなく、英文で覚えてしまおう!
単語だけで覚えるのではなく、文章はフレーズでしっかり覚えるようにしましょう。
そうすることで効率的にどんどん新しい英単語に触れることができ、かつ、コミュニケーションで実際に使える英語表現を身につけることができるようになります。
例えば、「fine」という英単語があったときに、これを覚えるだけでは、1単語しか覚えられません。
しかし、
I’m fine today.
今日、私はげんきです。
という例文を暗唱することで、全部で3の単語に触れていることになり、かつ、この表現を覚えることで、自分の体調が良いことを次から英語で表現できるようになります。
また、大切なのは暗記ではなく、「暗証させる」ということです。
【暗記と暗唱の違い】
「暗記」は覚えることです。
「暗唱」は覚えて、口に出して言うことです。
口に出す、つまり、アウトプットをしっかりとさせるため「暗唱」がとても大切です。
そのため、必ず暗唱させるようにしてあげてください。
また、お母さんやお父さんは子どもが発音しているのを聞いてあげてください。
そして、必ず「上手に発音することができたね!」「◯◯くん、そんな英語を話せるの!すごいね~」と褒めてあげてください。
褒めてあげることで、子どもは自信をつけてどんどんアウトプットするようになります。
このようにちょっと工夫してあげることで、子どもはいろいろなことを一気に学ぶことができます。
「書く力」は「英語絵日記」で培う!
書く力に関しては、高学年であれば「日記」がおすすめです。
長さは3文程度で大丈夫です。
そして、このときのコツは、その日(まで)に学習してきた英単語やフレーズなどを活用することです。
たとえば、
It’s Sunday.
今日は日曜日です。
という例文を習ったら、その表現を使って日記に「今日は◯曜日です」と英語で書かせるイメージです。
このとき、曜日の部分がわからなければ教えてあげましょう。
まずは1文自体は短くてよいので、3文は書くようにしましょう。
また、アルファベットを書き慣れていなかったら、四線ノートを活用しましょう。
さらに、絵を付け加えることも大切です。
比較的、子どもは絵を描くことを楽しみます。
そのため、子どもが楽しめる要素ををしっかり取り入れて、「英語絵日記」を作っていきましょう。
また、日記なのでこれは毎日書くことを心がけましょう。
毎日1~2時間は英語に慣れ親しませることが大切
英語学習でいちばん大切なのは「継続」です。
「継続」はどの分野においても大切ですが、英語学習でもとても大切になります。
ここで、ぼくがかつて指導した一人の中学生の衝撃的なお話をします。
私が以前指導していた中学生で英語が苦手な生徒がいました。
苦手というのはだいたい公立中学校の定期テストで60点程度のお子さんです。
しかし、その中学生は、小学生低学年のころは英語の教育に通っていたたため、英語がペラペラだったそうです。
ただ、学年が上がったときに一度英語教室をやめて、そのまま英語に触れる機会がないまま中学生になってしまったため、せっかく身につけた英語力が衰えてしまったのでした。
そのため、英語学習をするうえでしっかりとお母さんやお父さんが理解しなければならないことが「英語学習は継続が大切」ということです。
もちろん、お父さんの仕事の関係でアメリカの学校などに行くお子さんは嫌でも英語を使わなければならない環境に身をおくため、「継続」の心配はありません。
しかし、日本に住んでいるならば、英語を使う機会はほとんどありません。
そのため、しっかりと「継続」を意識して、毎日1~2時間を子どもの英語学習に割くことが理想です。
英語学習を始めるということは、そのあとずっとやっていくということです。
そのため「継続」を大切にしてください。
できれば一日2時間英語学習の時間が取れたら理想ですが、60分でも構いませんし、他の習い事があるのであれば30分でも構いません。
また時間配分とメニューに関しては、1時間程度の勉強時間が確保できる場合、以下のメニューが理想です。
【1日の学習メニュー(60分)】
①DVD教材など「聞く+話す」の練習(20分)
②絵本を読む→暗唱(15分)
③その日に暗唱した英単語、英文をノートに書く(25分)
ただ、個人差があるので、ご家庭の状況によってメニューを立ててみてください。
時間があまり確保できないのであれば、①と②を交互におこなってもOKです。
とにかく「途切れさせないこと」が大切になります。
さいごに
最後になりますが、小5・6年の段階では「英語の4技能の土台」を楽しみながら鍛えていくことが大切になります。
しかし、英語に触れてこなかったお子さんは、最初は英語に馴染むことができません。
そのため、なかなか暗唱ができなかったり、英語が読めなかったりしても怒らないでください。
子どもは、まだ英語の勉強の重要性を大人のようにわかっていません。
何のためにやっているかわからないのに、そこで厳しく指導されすぎると子どもはやる気がなくなってしまいます。
その点を配慮して、「楽しく」というポイントも忘れないで英語教育をしていただければと思います!
また、もし現在小学1~4年生のお子さんをお持ちの方はぜひ、以下の記事も参考にしてみてください。
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