【フィンランド式英語】幼児期~小学校低学年の子どもの英語学習法!

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今回は教育水準が高いことで有名なフィンランドから学ぶ「小学校低学年までの英語学習法」についてお話していきます。

フィンランドと言えば、全世界共通で実施されているテスト『PISA』でも上位を占めており、教育のレベルが高いことで有名です。

しかし、某有名A大学の英語教育に精通する准教授のお話によると、以前、実際の教育現場を見学したときに、フィンランドの公教育で特に優れている点はなかったとのことでした。

でも、フィンランドの人たちは公用語であるフィンランド語やスウェーデン語以外に英語を話せる人が多いのです。

そして、その秘訣は、実は「家庭での環境」にありました。

そこで今回は以下のテーマについてお話していきます。

●フィンランドの英語学習環境
●フィンランドの子どもが英語を話せるようになる秘訣
●フィンランドから学ぶ小学校低学年までの英語学習法

フィンランドの英語学習法は、家庭での環境をちょっと変えることで実践でき、親がつきっきりでなくてもできる点がポイントです。

仕事や家事で忙しい方々でも明日から子どもに実践できる方法なので、幼児小学校1・2年生までのお子さんをお持ちの方はぜひ、試してみてください!

フィンランドの英語学習の秘訣

フィンランドの子どもの英語学習法の秘訣は、一言で言うと、「英語圏から輸入した海外テレビ番組」です。

フィンランドは国が小さいこともあり、国内で作成しているテレビ番組、アニメなどは少ないのです。

そのため英語圏のほかの国々から番組やアニメを輸入しています。

その結果、フィンランドのテレビなどで流されているテレビ番組やアニメは、字幕映像になっているのです。

つまり、音声は英語、字幕は公用語(フィンラインド語、スウェーデン語)という設定です。

そのため、フィンランドの子どもたちは小さいときから家でアニメを見るときに、常に英語で音声を聞いてることになるのです。

これが、フィンランドの子どもたちが英語が話せるようになる大きなポイントの1つです。

アニメ英語学習は子どもが退屈しない!

上の部分で、フィンランドの英語学習法の秘訣として、海外から輸入したテレビ番組やアニメを紹介しました。

もちろん、海外から輸入しているため、音声が英語であることも大切なポイントですが、もう一つ大きなポイントがあります。

それは「アニメ」という点です。

基本的に、小学校低学年までの子どもたちは、既存の日本の学校で行われている英語教育に対して楽しさを感じることは少なく、最終的に飽きてしまうことが多いです。

その理由は、小学校低学年の小さい子どもに対して、おもしろくない文章の「音読」やCDを聞かせるなどガチガチの方法で英語教育をしようとするからです。

もちろん、文章の音読やたくさんの英語を聞くことはとても大切です。

ただ、それを小学校低学年までの子どもたちに無理やりやらせてしまうと、英語嫌いをつくる原因になる可能性があります。

そのため、小さい子どもに英語を慣れ親しませるためには、「アニメ」など子どもの興味をひくものを活用することが効果的です。

そして、自分が興味をもったセリフや文章をきっかけに英語が楽しいと感じさせることが大切になります。

自然と英語を学べることが大切!

アニメや子ども映画などを英語学習の教材として活用することで、自然と英語を学ぶことができることも大切なポイントです。

今の日本の公教育の英語は、英単語や英文法などをまずは勉強してから、例文などを音読したり、紙に書いたりして長い文章を読むというものです。

これらの英語教育は英語を一つの教科としてみなし、「勉強という意識」を子どもたちに持たせて学習させています。

しかし、アニメなどを活用することで、「勉強という意識」をもたないで、英語に自然と触れることができます。

これが、小さい子どもの英語学習においてポイントになります。

英語勉強法に関する本や教材はたくさんあります。

しかし、ちまたで良いと言われている英語学習法はいざやるとなると、なかなか小さい子どもに合わなかったり、環境を整えることが難しかったりしてうまくいくことが少ないです。

「文脈の」のなかで英語を学ぶ

おそらくこれを読んでいただいているみなさんは、とにかく英単語や英文法を頭に入れる詰め込み教育を受けたと思います。

「りんご=apple」
「私は、佐藤太郎です。=I’m Taro Sato.」

というように、逐語訳の英語学習がほとんどだったと思います。

しかし、これを小さい子どもにやらせても、実用的な英語を学んだことにならず、英語のコミュニケーション力であったり、文章力であったりは身につかないと思います。

大切なのは、実生活でありえそうな状況の英語表現などを学習することです。

そうすることで、実際に生活で英語を使えるようになるのです。

実生活でありえそうな英語表現とは、

「おはよう、朝ごはんちょうだい」

「今日は◯◯くんと△△に行って☓☓をしたんだ」

などの表現を意味します。

英語学習において、この「文脈のなかで英語を学ぶ」ということがとても大切になります。

公立学校の場合は、既存の英語教育では単語を覚えたり、文法を身につけたりなど「知識としての英語」を学ぶことはできても、実際にそれを使う「応用力」を鍛えることはできないからです。

また、英語の応用力の核となる「聞く力」と「話す力」を今の日本の公教育で身につけることは困難です。

なぜなら、今の日本の学校の英語教育は、応用力を鍛えるカリキュラムや教授法を採用していないからです。

現に、もし今の学校の英語教育が優れたものであれば、これほど日本の英語教育は問題視されません。

英語を日常生活で使用するにしてもビジネスの現場で使用するにしても、「話す力」「聴く力」はとても重要になります。

そして、その土台となる力は子どもが小さいうちにしっかりと身につけることが大切です。

ここまでのことをまとめると子どもの英語学習において、以下の2点をまずは意識することが必要になります。

◎子どもに英語を楽しく、自然に学ばせること
(英語嫌いになってほしくない)
◎実生活で使える英語を学ばせること

子どもの英語学習と臨界期の重要性

今度は少し脳科学の観点から小学校低学年までの英語学習のコツを見ていきたいと思います。

人の脳には、何かを学ぶときに最適の時期があります。

そのような時期を「臨界期(りんかいき)」と言います。

そして、英語など他言語を学ぶときにも臨界期はもちろん存在します。

ちなみに、言語習得の臨界期にしっかりと教育を受けなかったことで、母国でさえ習得できなかった2つの有名な例を紹介します。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の認知神経科学センター所長を務めるスティーブン・ピンカー教授は、人間の言語習得にも臨界期があることを示す具体例を、『言語を生み出す本能(下)』から2つ紹介します。

1つ目は、「ジニーの事例」です。

彼女は生まれた時から父親の虐待を受けており、13歳になるまで実家の地下室に監禁されていました。

そのため、幼少期に言語にほとんど接触することなく育てられました。

幸いなことに13歳になってから社会福祉員に発見されました。

そこから長年にわたり社会復帰を目指して言語の訓練を受けたと言われています。

しかし、英語の文法を完全に身につけることはできなかったと言われています。

例えば、彼女の話した英語は、成人になっても、以下のように、単語を並べただけのぎこちない英語しか表現できなかったのです。

Mike paint.
マイク、ペンキ塗る。
Applesauce buy store.
アップルソース、買う、店。
【引用元】
スティーブン・ピンカー著・椋田直子訳、『言語を生み出す本能(下)』

ピンカー教授は更に、「チェルシーの事例」も紹介しています。

チェルシーは、生まれつき聴覚障害を持っていましたが、診察した医者は精神遅滞や感情障害と判断したため、彼女が31歳になるまで誰も彼女が聴覚障害を持っていることに気がつきませんでした。

31歳のときに、彼女が聴覚障害を持っていたことが判り、補聴器をつけることで、彼女の聴力は正常に近いレベルにまで回復しました。

それから、チェルシーは集中治療を受けることで、意思の疎通ができるようになり、病院の事務職につき、自立して社会生活が送れるまでになりました。

しかし、彼女も決して文法的に完璧な英語が話せるようにはならなかったのです。

彼女の発する英語は、長年かかっても、以下のようなぎこちないものだったのです。

The small a the hat.
その、小さい、一つの、その、帽子。
Richard eat peppers hot.
リチャード、食べる、ペッパー、辛い。
Orange Tim car in.
オレンジ色、ティム、車、中に。
【引用元】
スティーブン・ピンカー著・椋田直子訳、『言語を生み出す本能(下)』

このように臨界期に適切な教育を受けなければ、紹介した2人のように一生言語を正確に話すことができない可能性もあるということです。

前置きが長くなりましたが、臨界期の重要性がわかったところで、英語学習においての臨界期のお話をしていきましょう。

小学校低学年までが勝負!

言語習得においての臨界期は諸説ありますが、実際に英語指導をしている方のお話を踏まえると、小学校1・2年生くらいまでが大切と言えます。

年齢でいえば、だいたい6~7歳までに、しっかりと子どもを英語に触れさせることが大切です。

そのため、バイリンガルとまでは言えなくも、将来子どもに英語を使えるようになって欲しいと考えている方は、小学校低学年をひとつの目安として、英語を学ぶ環境を整えてあげることが大切になります。

そして、この時期の子どもに発達を考えると、海外のDVDやテレビのアニメ(音声が英語で字幕が母国語になっているもの)は有効とだと考えられます。

6~7歳までは英語をどんどん聞かせる

6~7歳までは、とにかく英語をしっかりと聞かせることが大切です。

しかし、このときのポイントは、しっかりと英語で何を言っているかを子どもがわかるようにしてあげることです。

もちろん、いきなり英語を聞いて、最初からその意味がわかるほど、子どもの脳は優れていません。

また、何を言っているかわからなければ、いくらアニメでも、子どもは飽きてしまいます。

しかし、字幕が母国語であれば、この問題は解決できます。

子どもは耳で英語を聞きながらアニメの物語の内容などはしっかりと字幕の母国語をみて意味が理解できます。

これでは、

「英語を聞かせても意味がないのでは?」

と疑問を感じる方も多いと思います。

しかし、そんなことはありません。

これが子どもの吸収力の優れた点なのです。

子どもは、英語を聞いて、母国語で意味を理解しているうちに、徐々に英語で意味を理解するようになるのです。

だからこそ、フィンランドの子どもたちの多くは英語が話せるようになる割合が高いのです。

また、英語の音声で聞く事で英語の音に慣れ、リスニング力が身につくとともに、きれいな発音ができるようになることも期待されます。

だからこそ、海外のアニメや子ども向け映画は小さい子どもの英語学習に有効なのです。

手が離せないときに取り入れよう!

子どもの教育において、お母さんやお父さんが一緒に勉強してあげることはとても大切です。

しかし、実際は子どもをつきっきりで見てあげることはなかなか大変ですよね…。

そのようなご家庭の場合でも、ここまで紹介してきた海外のアニメや映画を活用しての英語学習法はできます。

もちろん、映像を見せてほったらかしにするのはNGです。

でも、お母さんやお父さんがどうしても子どもを見てあげられない時間などにアニメなどを見せておくのは全然OKです!

臨界期である6~7歳までの時間を少しでも無駄にしてしまうことはとてももったいないです。

そのため、忙しくてなかなか子どもと一緒に勉強できる時間が少ないという方もぜひ、ここまで紹介してきた英語学習法を試してみてください!

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