今回は、東京都の渋谷区代官山町にある表現教室「トリッピーキッズ」の大門先生がインタビューにお答えしてくださいました。
「トリッピーキッズ」の創立のきっかけや魅力など、充実した内容になっておりますので、ぜひ読んでみてくださいね!
トリッピーキッズ創立のきっかけ
ー 貴教室を創立したきっかけを教えてください。
もともと20代のころ、演劇集団円/円企画という劇団兼芸能事務所で、舞台やドラマや声優などで女優業をしていました。ありがたいことに、その頃、さまざまな現場に立たせていただきました。
女優業では、そこでしか味わえない素晴らしい経験と、苦い経験の両方を体験することができます。
そんな中で、自分は「女優という仕事を、人生をかけて一生やり続けられるのか」「80歳のおばあちゃんになってもやっているのか」「果たして、そこまでの覚悟はあるのか?」と、27歳くらいのときに、ふと疑問がわき、真剣に考え、以下の結論がでました。
「私が心から楽しめるもので、人生のほとんどを費やして行うことは、他にもあるのではないか」と。
それから、自分の人生の過ごし方について、模索し始めました。
その当時は、結婚でもなく、会社に属するでもなく、自分で稼いで生きていけるものに挑戦しようと決めました。
それから、手探りながらの自立へ向けた行動がはじまり、最初は、デザインの制作進行の個人事業者として、活動をはじめました。
ただ、これは、本当に自分のやりたいことではないので、徐々につまらなく感じていきました。
そして、もう一度、思い直したときに、自分が演劇の世界に入ったのは、演劇集団円の「子どもステージ」の舞台に立ちたかったこと、そして「子どもステージ」を観劇してくれた子どもたちの喜ぶ顔が大好きだったことを、はっきりと思い出しました。
それから、子どもにまつわる仕事をしたいと思い、子どもの作品を作ろうと、一念発起しました。
まずは、これまでの芸能の仕事でご一緒させていただいていた作曲家さん、漫画家さんたちの力を借りて、オリジナルのキャラクター「恐竜宇宙人グラブ君」を作り、グラブ君のパペットを用いて、子ども向けの観賞イベントをはじめました。
そんなある日、とあるイベントで、グラブ君のパペットを使って多くの親子のみなさんと楽しく交流していたところに、直接挨拶をしても、堂々と無視をするお子さんがいました。
「フン」という表情で顔をそむけた子を見ると、その隣にいる親御さんも同じように顔をそむけて知らんぷりという状態でした。子どもと親御さんの「フン」の顔の角度も一緒で、「親子って、こんなに似るんだな。逆に怖いな。」と感じました。(もしかしたら、その時たまたま、その子は体調が悪かったのかもしれませんが)
それをみて、良くも悪くも「子は親をみて育つ」とはこういうことかと思いました。自分が芸能の世界にいるから、特に挨拶には厳しいのかもしれませんが、できれば、「あいさつがしっかりできたり、良質なコミュニケーションをとれる子どもが多くなるといいな」という気付きから、トリッピーキッズを創設しました。
ー たしかに挨拶を気持ちよくできるだけで、子どもの印象もとても大切ですよね。靴を揃えたり、挨拶ができたりするだけでしっかりしているという印象を与えることができますよね。
子どもに「選択をさせること」を大切にしています。
ー では、貴教室が最も大事にしていることは何でしょうか?
あんまり上から目線で子どもと接しないことですね!
「~してね」「~しなさい」というような声掛けをすることはほとんどなくて…。
例えば、プログラムのなかで読みたい本があれば、「◯◯ちゃん、先生はこの本が読みたいんだけど、この本読んでもいい?」と聞くような感じで語りかけるようにしています。
このように言うだけで、子どもと先生が、同じ台の上に乗っているように感じます。
ただ、いろんな子どもがいるので、子どもにどうしても学んでほしいことや受け取って欲しい情報がある場合は、子どもとのコミュニケーションをとるなかで上手に調整するようにしています。面白そうに見せたり、声色を変えたり、体を大きく使ってみたり、雰囲気を変えたりと、講師は子どもに理解してもらうよう、ひたすら努力します。
子どもではなく、先生が、様々に変化することで、子どもも変わっていくからです。
子どものために、60分の即興劇をしているような感覚です。
いかに、目の前の子どもを楽しませることができるかです。これは、まさに、お芝居と同じです。
こういうところで、トリッピーの講師のスキルが試されます。
このあたりが、上から目線にはしない、ということに繋がります。
ただ、子どものやりたいことだけをやらせるということではなく、選ばせるところは選ばせる、学んでほしいことはしっかりと学んでもらうようには、工夫をしながら、メリハリをつけて接するようにしています。
ー なるほど、大切なことは子どもに伝わるように、エンタメというか、工夫をしてらっしゃるのですね!それは演劇をやっていた先生だからこそできる接し方の一つだと思います!ちなみに他に大切にされていることはありますか?
なるべく子どもに「選択をさせること」です。
世の中には「言われたことしかやらないという大人」が多いのではないかと思います。
それは個人的にイヤで、子どもたちにはそうなってほしくないと思っています。
そして、そのためには「選択する」ということがけっこう大事で、子どもたちが「自分で選んだから、人のせいにしないで、やる」という思考にさせることが、個人としても社会としても機能するには必須だと思います。
「誰かがやってくれるだろう」というような、他人任せの姿勢。この国を動かしていく人たちの大多数がその姿勢では困りますよね。
特に令和の時代では、これまでよりも、時代が大きく変わるでしょうから、そういう姿勢だと、社会についていけなくなるのではないかと思っています。
自分の意思を持って、生きていかなくては、流されていくと思います。
だからこそ、私は”自立した人”を育てたいのです。
そして、自立した子に育てるためのトレーニングの1つとして、「選択する」ということがかなり重要だと思っています。
子どもたちが「自分で選んだから、この行動をする」という意識を持てるように、すべては自己責任ということを、小さいうちから学んでほしいと思っています。
ですので、講師がレッスン中に「~してもいい?」と聞くことで、「いいのか悪いのか」を子どもが選択するように促し、トレーニングしています。
些細なところから、選択する練習です。
上達すると、説得力のある理由を話すようにもなります。
ー そこでヤダと言われて、プログラムが滞ったりしないのですか?
はい、講師たちは、いろいろな引き出しを、自分の中に、用意しているので、大丈夫です。
むしろ、子どもたちが「いいのかダメなのか」をはっきりと選択することが、私の狙いですので、それでいいのです。
あとは、目的に合わせら別のプログラムを講師が内包しているはずなので、それを子どもと楽しく行えばいいのです。
ここでも、トリッピー表現力講師の技量が試されますね。
ー それは先生の経験や技術も求められますね…。
俳優業・女優業をしている先生のみ採用!
ー 今トリッピーキッズで教えていらっしゃる先生はどんな方々なのでしょうか?
どの先生も俳優や女優やパントマイミストの表現者です。
こういう仕事をしている方々は発想が柔軟で、固定概念があまりなく、人とちがうことをすんなりと受け入れられる方が多いです。
それに心がピュアな方が多いです。
人生を楽しんでいたり、他の何にも変え難い、自分のやりたいことを持っているという生き方も好きです。
子どもたちとある程度の時間を一緒に過ごすわけですから、信念や生き様も、子どもの概念や表現を育てる上では、大事な要素だと思っています。
レッスン中、子どもが「ヤダ」と言ったり、「学校に行きたくない」と言ったりしても、良い意味で柔軟にそれを受け入れることができるので、当教室には、表現者が向いていると思います。
うちは学校ではないですし、生徒たちも、親御さんも、講師陣も、みんなが楽しく過ごす場所ですから。
あとは、表現力の教室なので、声が低いところから高いところまで使えたり、緩急をつかって話したりすることができたり、体を堂々と使えたりすることが向いている要素です。
つまらないプログラムでも、先生の表現の仕方1つで、面白そうに感じさせる事ができますし、こちらの表現方法を変えるだけで、子どもたちは、何をすればいいのか考え、自発的に動くようになります。
これだけで、子どもの反応も大きく変わります!「~しなさい」とは一度も言わないで良くなりますよ。
ー そのようにいろいろな表情を見ることで、子どもも今相手がどんな表情で何を考えているのかを敏感に察知できる力が身につきそうですね!
「自立」できる人間を育てたい。
ー それに関連して、トリッピーキッズに通うことで子どもたちはどんな力を身につけることができますか?
うちにくるご家庭の悩みとしてよくあるのが、
「あいさつができない」
「いじめられている」
「友達の輪に入れない」
などというものです。
あとは、小学校受験を目指されているご家庭の方も多くいらっしゃいます。
いじめられているお子さんも、レッスンをしていくと、少しずつ心を開き、自信をつけ、最終的にはいじめてくる子に「嫌だ」と伝えることができるようになります。
そうするとだんだんと、相手の態度も変わってきて、いじめられなくなるんですよね。
その後は、とても楽しそうに学校に通うにようになり、喜びと安心を感じています。何より、親御さんもすごく嬉しそうですし、親子一緒に、笑顔になってくださることが、何よりの喜びです。
そして、どんな子も、どんな大人も、最終的には、「自立」を目標としています。
子どもであれば精神的に、大人であれば精神的にも・経済的にも自立できるようになってほしいと思っています。
自立できるということは、自分に自信を持ち、なにか問題が起こったときに、物事を冷静に分析し、解決に向けての行動を取ることができると、定義づけているからです。
ー なるほど…。それはとてもすごいことですね!ちなみに表現の授業をすることで、どうしていじめられていた子がそれを克服できるのでしょうか?
おそらく、内面が強くなるんだと思います。
徐々に、自己肯定感が上がり、自分を正確にとらえていくことができるようになるのではないかと推測しています。
手法としては、私達講師が、個性に合わせた様々な言葉がけや、分析力や表現のプログラムを通して、事故の思い込みや認識を変化させていきます。
最初は学校の先生でもなく、親でもなく、友達でもない存在の私たちが寄り添います。
そうすると、子どもは、ずっと我慢していたこと、人に話せなかったことを、ぽつりぽつりと話してくれるようになるんです。
たいていの子は、出会ったその日のうちに、自分の内面を話してくれます。聞いていて、一緒に涙が出てしまうこともあります。
親身になって、子どもと同じ目線で寄り添うことで、子ども自身も「話してもいいんだ」という気持ちになるのだと思います。
そして、毎週会ってレッスンをしていくうちに、信頼関係が築けるとともに、人に自分のことを話すことが当たり前になり、積極的なコミュニケーションを取ることができるようになります。
そうすることで、子どものなかでの今までの考え方が徐々にチェンジしてきて、自己肯定感を高め、実際に起こっている事象を冷静に見ることができてくるのだと思います。
自分のレッスンやメソッドを自己分析すると、こういうことかと。
また、それ以外にも、トリッピー表現力教室のプログラムでは、声帯を強くし、声を出しやすくするための発声や、自分の考えを的確にしゃべるためのフィンランドの教育法の一つ「カルタ」を用いて、事象を冷静に分析する練習をしたりしています。
そのカルタを用いることで、ある出来事に「どうしてそうなったのか」「何が問題なのか」をいろいろな角度から見ることができるようになります。
そうすると、いじめられているお子さんであれば、今自分がどういう状況で、何が原因で、どうすればいいかをしっかりと自分で考え、分析することができるようになります。
感情と事象を分けて考えることが大切だと思っています。
ー たしかにそれは大切ですね。自戒の意味も込めて、子どもに伝えていくことは大切ですね。ちなみに、そのようなプログラムは小学生対象でやるのですか?
いえ、幼稚園の年中・年長さんでも、もう少し難易度を易しくして、同じような考え方を学ぶプログラムを取り入れています。
そうすると、考える力、物事を的確に捉える力が育つんです。だから、話す力が身につきます。
よく話すようになるので、うちに通ってくれている子どもたちはほとんど(小学校)受験に落ちないんだと思います。
ー なるほど、では幼稚園に通うお子さんと小学生のお子さんのプログラムでは、題材が異なるだけで本質は変わらないのですね!
トリッピーには独自のクラス・プログラムが多数!
ー 現在トリッピーキッズにはどんなクラスがあるのでしょうか?
今現在は、
・小学校受験クラス(マンツーマン)
・表現クラス(マンツーマン)
・発達障害のお子さんむけのクラス(マンツーマン)
・大人の表現クラス(マンツーマン/少人数グループ)
・演劇クラス(少人数グループ)
があります。
ー 何歳くらいから通うことができますか?
だいたい4歳ですね。
ただ、それ以下のお子さんをどうしても通わせたいという場合は、「母子分離ができるか」「講師の言葉が理解できるか」というのをみて、受け入れるか判断します。
ー 日本人だけでなく、外国人の子供も通っていますか?
はい、ハーフの子も来てくれています。
そのため、外国人の方でも帰国子女の方でも大歓迎です!
ただし、今現在は、日本語でしか対応をしていません。
ー ちなみに無料体験などはありますか?
いえ、うちでは、マンツーマンレッスンの体験レッスンから、料金をいただいています。
その1回で、何かしらの改善がある場合が多いのと、本レッスンと何ら変わらない内容だからです。
人や立場によって、手を抜くのが嫌いなんです。
いつも全力で行うからです。
ー では、クラスの内容について聞きたいのですが、表現クラスでは実際にどんなことをやるんですか?
あいさつの仕方から始まり、発音・発声の練習や、読解力が高まるカルタや、体を使ったダイナミックな表現をするプログラムや、情報処理力を上げるエクササイズや、文章のルールを理解するカリキュラムや、コミュニケーションスキルを学ぶプログラムを導入しています。
あとは、絵本や先生がやっている動きを口頭で文章化させて、説明できるようにするレッスンもやっています。
とにかく「見る力」「ピックアップする力」を養うことを大切にしています。
問題解決能力を高めるためには、冷静に分析する力が必要で、そのためには「見る力」「観察する力」が必須です。
こういうプログラムを、6年強、1000人以上のお子さんにレッスンをし、効果的なプログラムを探求し、まとめたものが、今日当教室で使用しているメソッドです。
子どもの個性・タイプ別の見分け方、各タイプの効果的な動機づけも、一緒にまとめました。これを、大門式表現力メソッドと、私たちは呼んでいます。
ー かなり幅広くやっているんですね!でも、たしかに絵を書いたり、言葉で表現したりということは本来は分けられるものではないのかもしれませんね…。
そうですね、私が思うに、ほかのお教室は体操や絵画などで分けていると思うのですが、トリッピー表現力教室では、それらの技術を学ぶ前段階の「土台」となる教育をしているのだと思います。
そのため、この土台をしっかりと身につければ、どこにいっても大丈夫なのではないかと思っています。
「明るい子ども」は受験にも受かりやすい!
ー 小学校受験クラスは志望校に合わせてといった感じですか?
いえ、特に学校別のクラスは用意していません。
結局、どの学校も求めているお子さんはいっしょだと思います。
ー それは他の幼児教室の先生もおっしゃっていました。(笑)
そうですよね、トリッピーの子どもたちは、みんなしっかりあいさつできて、たくさん話すし、とにかく明るいんですよね。
それに思考力もあるので、小学校側からも印象が良いのだと思います。
ー たしかにそれだけで好印象ですよね。では、メニューもあまり小学校受験に特化していないという感じですか?
表現クラスと重なるメニューもありますが、本番近くになってきたら、その子ども一人ひとりの志望校に合わせての対策と、精神面でのコンディションを整えることに、多めに時間を割くようにしています。
ー ちなみに今までのご経験から、小学校側がほしいと思う子どもの共通点は何だと思いますか?
私は「明るい」だと思います。
ただ、「明るい」という言葉の中には、いろんな要素が含まれています。表情、声質、言葉遣い、雰囲気、体の使い方、礼儀作法、答え方、情報処理力です。
これらができて、「明るい」という印象が形作られます。
これらを持ち合わせ、挨拶ができ、的確に話すことができ、自発的な子はどの小学校も求めていると思います。
ー 授業はマンツーマンとのことですが、それにはこだわりがあるのでしょうか?
はい、人間は一人ひとり個性があります。人間、みんな違います。
例えば、同じレッスンをしても、先生が視覚に訴えるレッスンをするか、聴覚に訴えるレッスンをするかで、視覚優位なお子さんと聴覚優位なお子さんでは、受け取れる比率が変わります。
これ以外にも、受け取りやすい方法は、個々、違います。
この段階で、内容を受け取ることに、ロスが出るのです。
私は、可能な限り、100%に近い内容を、生徒に受け取って欲しいと思っています。
自分も何かを習うときに、その時間内で100%受け取りたいと思うからです。大事な時間とお金です。
どちらも有限です。
それであれば、尚のこと、早く結果を出したい。
だから、マンツーマンにする方が、結局は効率がいいのです。
そのため、まずは最初60分間母子分離のレッスンをして、その後に親御さんと30分間面談する時間などを設けています。
子どもに自信をつけさせることができる!
ー 家庭へのアドバイスもしっかりとされていらっしゃるんですね。一つひとつのご家庭に厚い対応をされているんですね!ちなみにトリッピーキッズが保護者から選ばれる理由は何だと思いますか?
他にはないからだと思います。
おそらく、他の教室だと、演劇教室か幼児教室、発達障害の子向けの教室など分かれていますが、トリッピーではそれが一つになっています。
人間は1つの要素だけではなく、いろんな要素が複合的に集まって作られています。
だからこそ、ボーダーレスにしたい。”個”を見る。”個”を育てる教室だからです。
当教室は、なにかの技術だけを上手にさせるための教室ではないんです。
全員一緒の時代は終わりました。これからは、”個”をどう育てるか?の時代です。
それともう1つ、選ばれるというか、親御さんに信頼されている理由としては、子どもに自信をつける”方法”を知っていることだと思います。
生徒の親御さんのお話を伺っていると、意外と、他の教室さんや学校だと、心理面の成長の促すメソッドを知らない先生方が多いような気がしています。根性論では、自信はつかないです(笑)
これは、具体的なやり方のアドバイスではないですよね。
ー 子どもに自信をつけさせることが大事なのはわかっていても、なかなかそれが上手にできない保護者というか、ハードルを高く設定しすぎている保護者もいる気がするときもあります…。それを踏まえて、普段指導しているとき、子どもがどんなときに自信をつけているなと思いますか?
例えば、あいさつをして教室に入ってこれたり、靴箱にしっかりと靴を入れることができたときなど、他の人から小さなことでも、その子にとって大切なことができたときは思いっきり、肯定の言葉をかけるようにしています。
また、これはご家庭で実践しても意味があるので、保護者の方にもお伝えするようにしています。
具体的にやったことに対して、言葉をかけることで、子どもは、見てもらっている感覚が出て、愛情を感じ、信頼関係が結べて、やる気が出るのではないかと思います。
ー なるほど…。たしかにそれだと子どもも自信がつきますよね!
そして、面白いことに、ここでも、個性を感じることがあります。
大人もですが、子どもによって動機づけのポイントはちがいます。
たとえば、得点などの数字に響く子、ものすごい笑顔100%を見せることで響く子、スキンシップで響く子など様々です。
そのため、お子さんと接する中で、その子の動機づけのポイントや個性・タイプを見つけることを大切にしています。できるだけ、早く見つけるように、講師には徹底しています。
伸びるお子さんに共通することは「素直なこと」
ー 今までのご経験を踏まえて、伸びるお子さんに共通する事は何でしょうか?
「素直なこと」
だと思います。
講師のことをすぐに信頼してくれる子、信頼関係の築ける子は伸びます。
逆に、子どもなのにおとなじみた少し理屈っぽいお子さんは、プログラムのなかで一度、すでに持っている固定概念をまっさらにするようにしています。
そこから、徐々に接していくなかで、少しずつ素直になっていき、信頼関係が築けるようになると、講師の出すプログラムや注意することが、スムーズに受け取れるようになり、さまざまな成長が早くなります。
ー なるほど、ちなみに保護者の方は授業を見学できますか?
いえ、子どもの「自立」のために、見学はできないようにしています。
親御さんが近くにいるだけで、子どもは、親御さんの顔色を伺ったり、甘えたりして、愛情確認をし、自立心がなかなか芽生えないので…。
そのため、うちでは母子分離です。
ただ、レッスンの内容は常に動画で撮影して、DVDの形で200円で販売しているので、どうしても気になる方やレッスンのようすを見たい方にはそちらを購入してもらうようにしています。
子どもを信じてあげることが大切。
ー 今までのご経験を踏まえて、伸びるお子さんのご家庭・保護者に共通する事は何でしょうか?
親御さんが、必要以上にガミガミ言わないということでしょうか。
要は、お子さんの好きなことをなるべくやらせてあげる、子どもの言ったことに耳を傾ける、親御さんの意見や考えを押し付けない。
そして、子どものことを信じ、肯定的な言葉をかけているかも一つの大きな要素だと思います。
「自己表現力」の重要性をもっと知ってほしい
ー 日本の幼児教育にはどんな点が欠けていると思いますか?
私たちがまさに今やっている「自己表現力」が大切だと思います。
ここでの「自己表現力」は、あいさつや受け答えはもちろん、人の気持ちを想像したり、相手の気持ちを感じ取れる力です。
国語、算数、「表現力」といった感じで1科目にしてほしいくらいです。(笑)
人と接することなくしては、人間は生きてはいけません。
そのため、どのように表現したら、的確に伝わるのか、相手に不快な思いをさせないのかを学ぶことはとても大切だと思っています。
そうすることで、コミュニケーションしやすくなり、社会と関わりやすくなり、生きやすくなると思います。自己表現することで、自分も相手も、幸せになることができると、信じています。
ー 「指導者でよかった」と感じる瞬間はどんなときですか?
3つあります。
1つ目は、単純に、自分も昔は子どもだったことを思い出せることです。
年齢を重ねるごとに経験や知識が増えていくので、偉そうになりそうになりますが(笑)
でも、人間は、結局は人間なので、何も変わらない。
立場は違っても、同じ人間です。思い上がってはいけないなと。
子どもたちに触れていると、自分も、子どもに戻れるところが、ありがたいです。
2つ目は、子どもも親御さんも、ともに笑顔になる姿を見られることです。
ご家庭の課題や目標をクリアするお手伝いができたなと感じると、この教室をやっていて良かったなと感じます。
うちに来る生徒たちは、より良い人生を過ごすために、やってくるからです。
3つ目は、親子間の愛情を見られることです。
子どもが親の期待に応えるために、ものすごい努力をしている、健気な姿をみると、感動します。
あんなに小さい体で(涙)と思ってしまいます。
どれほど、この子がいろんなものを背負っているか、代弁してあげたくなります。
言葉の壁があり、伝えられなかったりするので。
子どもは、大人が思っている以上に、健気に親御さんのために頑張っているということを、知っていただきたいです。
親御さんを愛しているからこそ、頑張っています(涙)
自分の気持よりも親御さんの気持を優先していることを、この記事を読んでしってもらえたら、本当に嬉しいです。
だからこそ、自分も、子どもだったことを、皆さんに思い出してもらいたいです。
ー どんな目標や目的をもった方に教室に来ていただきたいでしょうか?
子どもにどう接していいかわからない方、単純に演劇をやってみたい方、受験に向けて結果を出したい方、対人関係を良くしたい方、声を出したい方かな?!あまり、私からは、これというのがないです。
ただ、一人で悩まないでほしいです。
困っている方でしたら、いつでも相談していただきたいです。
うちで難しい場合は、他の教室さんや先生にご紹介することもできるかもしれませんし。とにかく、一人で抱え込まないでください。それは、しんどいです。
ー ありがとうございました!一番保護者の悩みに近く、寄り添ってくれる教室だと思いました。お忙しい中貴重なお時間を割いてくださり、ありがとうございました!
このインタビューをご覧になって、ご興味をお持ちになった方はこのお教室の理念やコース、授業料などの詳細をチェックしてみてくださいね!
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