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英語の勉強法として有名な「フォニックス」。
フォニックスを謳い文句にしている英語教室もたくさんありますね。
さらに子どもの英語の勉強に関するさまざまな著書でもフォニックスはよく紹介されています。
でも、実際にお子さんにフォニックスを教えても、本当に効果を実感できていますか?
このような勉強法は、ときに「なんとなく良さそうだから」ということで広まってしまうことがあります。
そのため、今回はフォニックスをあえて少し批判的に見ていきましょう。
※この記事は5~6分程度で読めます。
日々大量の英語に触れていることが前提
フォニックスは、子どもでも初めて見る単語を読めるようになったり、自分で読めることで自信がつき、英語学習の楽しみも増したりなどのさまざまなメリットがあります。
しかし、幼少期でのフォニックスの導入は慎重になる必要があります。
フォニックスはそもそも英語圏から生まれた英語の学習方法です。
つまり、フォニックス教育は生まれたときから英語をシャワーのように浴びる環境にある子どもが対象です。
そのフォニックスを英語に触れる時間や機会が少ない日本の子どもに早い段階から導入すると、時間的ロスが大きくなる恐れがあります。
さらに、いきなりフォニックスのルール(規則性)を教え込もうとすると英語の発音練習に対する拒否反応を起こしてしまうこともあります。
専門家の中には、日本の子どもたちにフォニックスを学習させるなら、むしろ絵本の読み聞かせや会話表現の反復練習をおこなったほうが良いという意見もあります。
つまり、いきなり発音のルールを教えるのではなく、まずはリスニングやスピーキングで英語の音韻に十分になれさせてから、徐々にフォニックスの規則性を教えていく方法になります。
このほうが自然で、学習効率もよいからです。
フォニックスの目的は音声と文字一致をはかるための文字ルールの習得です。
音と文字のつながりのルールを理解するためには、耳からのたっぷりの音声英語のインプットと文字にふれる期間が大切なのです。
以上のことから、フォニックスはリスニングとスピーキングである程度英語に聞き親しんでから導入したほうが良いと私は考えます。
フォニックスは「正しい発音」が目的。
万能な教え方ではないので注意!
近年、フォニックスがあたかも万能で先進的な教育手法のように言われ、フォニックスに特化した英会話教室もよく見られます。
そのため、特に幼いお子さんに英語を習わせるときに、フォニックスに強くこだわる方も多いです。
でもフォニックスで英語が読めても、英会話や英語力とはまた別です。
フォニックスはあくまで「正しい発音ができるようになるためのツール」として捉えるべきです。
逆の立場にたって考えてみてください。
「日本語が話せるようになりたい!」という外国人に、かな文字やカタカナ、漢字をたくさん教え込んで、話せるようになるでしょうか?
文字や単語を読めるようになっても、意味がわからないと本当に理解しているとは言えません。
当然、このままだと、いつまでたっても話せるようにはなりません。
このことを踏まえても、私は指導者としての立場として、フォニックスの導入時期としては、ある程度、英語に聞き親しみ、英語学習が進んだ段階がよいと考えます。
フォニックス第一で教えるのではなく、あくまで「補助ツール」として、あまりこだわりすぎないことをオススメします。
フォニックスで単語や英文が読めても、理解ができていないければ意味がありません。
フォニックスの弱点は、
「すべての単語に当てはまない」こと
学べば知らない英単語でも正しい発音で読めるようになるというフォニックスにも、実は弱点があります。
それは、フォニックスのルールとパターンは、「すべてに当てはまらない」という点です。
つまり英語の単語の中には、フォニックスのルールやパターンには当てはまらない、例外的な読み方をするものも少なからず存在するということです。
フォニックスのルールで読める英単語は全体の75%と言われています。
残りの25パーセントは、サイトワード(Sight words)といって規則性のないもので、覚えるしかありません。
この75%を多いとみるか少なくみるかは人それぞれですが、フォニックスが万能ではないということはしっかりと知っておく必要があります。
また、フォニックスのルールは子どもにとっては多いと感じるかもしれません。
がんばって覚えたのに例外に直面したときに混乱してしまうこともあるでしょう。
だからといってフォニックスのルールを学ぶのが悪いことといわけではありません。
ルールが絶対だと思わせずに「フォニックスで読めない単語もたくさんあるんだ〜」ぐらいの認識で気楽に教えるようにしましょう。
うまくいっていないなら、
「書くフォニックス」がおすすめ
これは実際に「フォニックス英会話アカデミー」の教室長の方に聞いたフォニックスの勉強法です。
もしかしたら、すでにフォニックスの勉強をしている方もいます。
でも、フォニックスで英語を勉強していても読み取りミスやスペルミスをすると悩んでいる方も多いと思います。
そこでおすすめなのが、「書いて覚えるフォニックス」です。
これは、先ほどご紹介した教室長の方が考えたものです。
フォニックスの発音指導だけだと子どもの理解に限界があるということで、視覚的なものの必要だと思い、カタカナでフォニックスを書かせるというものです。
すでに、フォニックスで英語を習っているという場合は、この方法を一度試しても良いかもしれません。
ただ、英語の発音をカタカナで学習するのはあまり良しとはされません。
そのため、そこはしっかりとお子さんの状態をみて判断する必要があります。
「ホールランゲージ」「サイトワーズ」
も選択肢のひとつに!
フォニックスの教育への導入のについては、アメリカにおいてさえも、一時、賛否両論あり、その是非をめぐって長く論争がありました。
子どもの読み書き育成のための学習方法をめぐっては、フォニックスを説く学者と、フォニックスと対極に位置する「ホールランゲージ」を提唱する学者が激しく対立しました。
ホールランゲージを説く学者は、フォニックスは、読解力や想像力の点からは、むしろ子どもの国語教育にはマイナスなのではという意見です。
また、ホールランゲージとは、たとえば絵本の全体の文脈に沿って単語を意味から理解していくというふうに、全体から個(英語)へと理解する考え方です。
一方で、フォニックスは個(単語)から全体を理解していく方法です。
科学的な根拠はありませんが、ホールランゲージはクイズ形式でできたり、子どもに考えさせたりできるので、楽しみながら英語力だけでなく、思考力や推測力もつくかもしれません。
また、もうひとつの覚え方としては「サイトワーズ」があります。
サイトワーズは単語を丸ごと読む方法です。
フォニックスのように一文字ずつでなく、単語単位で読み方を教えます。
「THE」は「ザ」、「HAVE」は「ハヴ」と教えますから、フォニックスのようにおかしな読み方にはなりません。
また単語単位で発音を覚えていきますから、拾い読みを減らすことができます。
ただ、サイトワーズにも弱点があります。
それは、「知らない単語は読めない!」ということです。
ただ、そこは1度発音してあげて、それを真似させれば子どもはすんなり入るので、大きな弱点ではありません。
年齢と発達、適性を判断して選ぶのがベスト!
ここまで、フォニックスについて少し批判的に見てきました。
もちろんフォニックスにも良い点はあります。
生徒によっては、フォニックスのルールに当てはめるのがクイズみたいで楽しいというお子さんもいます。
ただ、私はフォニックスはある意味、規則性があるので、抽象的に捉えたり、構造的に捉える力は発達する少し前の中学校低学年くらいからでもよいと思います。
ただ、お子さんの好みもあります。
そのため、発達や適性にあわせて、フォニックスやホールランゲージ、サイトワーズなど試してみましょう!
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