「小学生に入学したから、英語を子どもに勉強させよう!」
と考えている方も多くいらっしゃると思います。
これからのグローバル社会を生き抜く人間に育てるためには、子どものうちから英語をしっかりと学ばせる必要があります。
そこで、ぼくが保護者の方からよく受けるご相談があります。
それは、
「小1・2の子どもはどんな英語の勉強をさせればいいの?」
ということです。
結論としては、以下の2つの点を「楽しみながら」学ばせることが大切になります。
「聴く力」
「伝える力」
そこで、今回は以下のテーマについてお話していきたいと思います。
■なぜ「聴く力」と「伝える力」なのか
■「聴く力」「伝える力」の具体的な勉強方法
■小学校低学年の英語学習で意識すべきこと
低学年の子どもは、まず「聴く力」を伸ばそう
まず、小1・2のお子さんに英語を学ばせる上で「聴く力」を養うことが大切です。
小学校低学年までにお子さんの聴覚機能(英語と日本語など別の音を識別する力)が完成すると言われています。
そのため、この聴覚機能が完成するまで、しっかりと英語の音を聞いておくことが必要になります。
実際に、小学校低学年までに英語をたくさん聞いていたお子さんの方が、それ以降に英語を始めたお子さんよりもリスニングのスコアが高くなるという研究もあります。
そのため、小1・2で英語学習を始めようと考えている人は、まずお子さんに英語をたくさん聞かせて、英語の音に慣れ親しむようにさせましょう。
また、そのときに、いきなり市販に売っているようなリスニング教材などを使用すると子どもはなにも面白くなくて、すぐに英語に飽きてしまうでしょう。
そのため、最初は小学校低学年や幼児向けの英語の教材、youtubeなどの英語のアニメ動画などを活用して、「楽しく学ばせる」ことが大切になります。
いきなり英語を話せるわけはありませんので、まずは小学校低学年の段階で、他の子どもより英語の音に触れさせ、英語の学習が楽しいと感じさせること大切になります。
「伝えたいことを伝えられる力」を育てよう
小学校低学年の子どもは、「聴く力」のほかに「伝えたいことを伝えられる力」を育てることが大切になります。
ここで言う「伝える力」は文章である必要は全くありません。
例えば、上で紹介したDVDなどで頭に残った単語や音などを口ずさんだり、新しく覚えた単語を口に出したりなど、とにかく積極的に「発する(アウトプット)」させるようにすることが大切です。
小学校低学年までであれば、耳で捉えた音をそのまま口にだすことで、きれいな発音で英語を話すことができます。
※お子さんによっては聴覚機能がすでに完成している可能性があります。
また、「伝える力」を小学校低学年で鍛える理由は「発音」だけが理由ではありません。
もうひとつ大切な点が、「英語を発することに抵抗を持たないようにする」ということです。
ぼくは実際に幼児~小学生と英語を教えていますが、中学生~高校生の生徒の多くは、英語で文章を読むことを嫌がったり、英語でのコミュニケーションに対して抵抗をもっています。
その多くの要因は、以下で挙げられるものがほとんどです。
・自分の英語の発音に自信がない
・自分の話す英語が合っているか不安
・そもそも人前で話すのが恥ずかしい
これらの不安を抱える生徒は、小学生の頃から、英語を使う機会が少なかったり、自分から積極的に言葉を発する機会がなかったりする子どもがほとんどです。
つまり、小学生での英語の学び方や日常生活の過ごし方がその子供の将来に影響を与えるということです。
そのため、小1・2の段階でインプットした英語(耳から入れた英語)を積極的にアウトプット(口から発する)ということを大切にするようにしてください。
具体的には、親御さんがいっしょになってDVDを見たり、音楽を聞いたりして、いっしょに口ずさんだりするのもよいでしょう!
あとは、フラッシュカードなど活用して、絵を見ながら子どもといっしょに英語を発音するなどして楽しくアウトプットするなどの工夫をしてみるのもおすすめです。
また、お母さんやお父さんにお時間があり、ある程度英語の能力があるのであれば、幼児用の英語の絵本などを用いるのもおすすめです。
とにかく「伝える力」を鍛える上でもしっかりと「楽しませる」ということを意識させることが大切になります。
毎日1~2時間は英語に慣れ親しませることが大切
英語学習でいちばん大切なのは「継続」です。
「継続」はどの分野においても大切ですが、英語学習でもとても大切になります。
ここで、ぼくがかつて指導した一人の中学生の衝撃的なお話をします。
私が以前指導していた中学生で英語が苦手な生徒がいました。
苦手というのはだいたい公立中学校の定期テストで60点程度のお子さんです。
しかし、その中学生は、小学生低学年のころは英語の教育に通っていたたため、英語がペラペラだったそうです。
ただ、学年が上がったときに一度英語教室をやめて、そのまま英語に触れる機会がないまま中学生になってしまったため、せっかく身につけた英語力が衰えてしまったのでした。
そのため、英語学習をするうえでしっかりとお母さんやお父さんが理解しなければならないことが「英語学習は継続が大切」ということです。
もちろん、お父さんの仕事の関係でアメリカの学校などに行くお子さんは嫌でも英語を使わなければならない環境に身をおくため、「継続」の心配はありません。
しかし、日本に住んでいるならば、英語を使う機会はほとんどありません。
そのため、しっかりと「継続」を意識して、毎日1~2時間を子どもの英語学習に割くことが理想です。
英語学習を始めるということは、そのあとずっとやっていくということです。
そのため「継続」を大切にしてください。
できれば一日2時間英語学習の時間が取れたら理想ですが、60分でも構いませんし、他の習い事があるのであれば30分でも構いません。
また時間配分とメニューに関しては、1時間程度の勉強時間が確保できる場合、以下のメニューが理想です。
ただ、個人差があるので、ご家庭の状況によってメニューを立ててみてください。
時間があまり確保できないのであれば、①と②を交互におこなってもOKです。
とにかく「途切れさせないこと」が大切になります。
小学校低学年で触れるべき単語は、約2,000語!
小1・2の段階では、教材などを含めてお子さんが触れる英単語の数は約2,000くらいあると良いです!
そして、そのうち約300ほどの単語を発音できたり、使えたりするとよいでしょう。
具体的な単語の勉強法としては、まず「フラッシュカード」がおすすめです。
絵が書いたカードをみて、子どもがその絵の名前を英語で答える勉強方法になります。
この勉強法で、「dog」「cat」など馴染みやすい基本的な単語をまず押さえることが大切です。
また、単語の学習が根付いてきたら、今度はなるべく単語だけで覚えさせるのではなく、文章を暗唱させるにしましょう。
例えば、「りんご」という単語の”apple”だけを覚えたら、それは1単語しか覚えたことになりません。
しかし、「私はりんごを一つ持っている」という文章で英語を学習することで、
”I have an apple.”と全部で4単語に触れることができ、覚えることができます。
将来的に英語を使うのであれば、単語だけを覚えてもあまり意味がありません。
みなさんもご存知のように、自分の名前を紹介するときの”My name is~”などブロックで覚えたほうが効率的に触れたり、覚えたりできる単語が増え、かつそのまま会話などでも応用できます。
このような「特定の単語のかたまり」を「フレーズ」といいます。
英語は、フレーズで覚えたり、文章で覚えたりすることが大切になります。
もちろん、基本的な単語を最初に覚えさせることは大切です。
しかし、基本的な単語を覚えたら、今度はフレーズや文章でしっかりと学習し、実際に会話などのコミュニケーションで使える英語を身につけていくようにしましょう。
「のびのび」と子供が英語を学べるようにしよう
最後になりますが、のびのびと子供が楽しく英語を勉強できるように工夫してあげることが低学年のうちは大切です。
なかなか単語が覚えられないとか、アウトプットができないとかいろいろとつまづくことがあると思います。
しかし、だからといって子どもにあまり負荷をかけないでください。
なぜなら、子供自身は「なぜ英語の勉強が必要なのか」をまだ理解できていないからです。
もちろんみなさんはこれからの社会を考えて、英語を学習させたいと思っていると思います。
しかし、子供が英語の重要性を理解するのはまだまだあとのことです。
そのため、ここまで紹介してきた勉強方法や教材を活用して、まずは子供が英語に慣れ親しむ学習ができればと思います。
また、もし現在小学3~6年生のお子さんをお持ちの方はぜひ、以下の記事も参考にしてみてください。
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