幼児期の絵本の読み聞かせで子どもの「心の脳」を育もう。

子どもに絵本の読み聞かせをすると良いというのはみなさんどこかで聞いたことがあります。
しかし、いざ読み聞かせをしようとすると、
・どんな本を読めば良いのか
・どういうふうに読み聞かせをすればいいのか
・声のトーンを変えたほうがいいのか
などなど
いろいろな疑問が湧いてくると思います。

そのため、今回は、幼児への正しい読み聞かせ方法などを中心にご紹介していきたいと思います。

幼児期に絵本を読み聞かせることで子どもが得られる効果

絵本の読み聞かせの正しい方法を解説する前に、ざっと読み聞かせをすることによって、子どもが得られる効果をまとめておきます。
簡単に読み飛ばしてくれて構いませんが、頭の片隅に残しておいてください!
どんな効果があるかを知っておくと、読み聞かせをしているときにもみなさまが意識できるので、より効果的な絵本の読み聞かせをすることができます。

<読み聞かせによって子どもが得られる効果>

●思いやりや愛情を育み、感情豊かな人間になる
●イメージ力・創造力が培われる
●表現力が養われる
●注意力・集中力が身につく
●寄り添ったりスキンシップしたりすることで子どもが安心を感じる
●本が好きになる
●ボキャブラリーが増える
●思考力・読解力がみにつく
●知的好奇心が育まれる
●知識や知恵などがつく
●絵本の読み聞かせによって親子のコミュニケーションが活発になる

正しい絵本の読み聞かせ方

ここでは、絵本を子どもに読み聞かせる際に、気をつけるポイントをご紹介してきます。
読み聞かせを実践するときは、以下のポイントに気をつけてください。

1.ゆっくりと心をこめて読みましょう!

本を読み聞かせするときは、ゆっくりと心をこめて読むことを意識してください。
大人は無意識に早口になってしまうことが多いです。
しかし、子供は幼ければ幼いほどと理解するのまでに時間がかかります。
そのため意識してゆっくり読んで、子供がしっかり話についてこれるようにしましょう。

ゆっくり読むコツとしては、句読点(、。)や文章の切れ目で、ひと息おいて、それからまた読み始めるということです。
句読点が少ない文章の場合は、「て・に・を・は」で一区切りにしてあげることもおすすめです。

2.はっきりと丁寧に発音する!

ゆっくり読むのと同時に、はっきりと丁寧に発音しましょう。

子供は絵本からたくさんのことを吸収します。
そのため、間違った発音をしたり、または、子どもにそう聞こえたりすると、誤って覚えてしまう可能性があります。
子どもはママやパパの朗読から言葉を覚えるため、丁寧にはっきりと発音することが大切です。

3.おおげさすぎる抑揚したり、声を変化させたりするのはNG

登場人物によって声を大きく変化させたり、抑揚したりすることはやめましょう。
なぜなら、それが子どもの創造力などを邪魔する恐れがあるからです。

そのため、抑揚や声の変化は適度にやるのはいいですが、おおげさにやることはおすすめできません。

4.余計なセリフやアドリブもNG

子どもを楽しませたいと思う気持ちから、ついつい絵本にセリフを付け足したり、アドリブを入れたりしたいかもしれませんが、おすすめできません。

上で紹介したように子どもの想像に余計な影響を及ぼす可能性があるからです。
そのため、基本的には絵本通りに読み聞かせをするようにしましょう。

5.1日1、2冊でいいので毎日読み聞かせしてあげましょう

1日にたくさんの本を読ませるのではなく、毎日1冊でもいいので絵本を読み聞かせする習慣をつけましょう。
絵本は読めば読むほど、子供はたくさんのことを吸収してくれます。

また、毎日決まった時間に読み聞かせをすることができれば、子供に学習習慣を定着させることもできます。

6.複数の本を用意して、子どもに選ばせてあげましょう。

絵本自体は、3冊くらいを用意して、子どもに選ばせるようにしましょう。
子どもの選択を尊重してあげることで、読み聞かせしたときの子どもの集中力や注意力にもちがいが出てきます。

7.同じ本を繰り返し読むことも大切

一度読んだからといって、もうその本を読まないようにすることはやめましょう。
子どもは2回目に読んだときのほうが、1回目に読んだ時よりストーリを理解しているため、質問したり、感想を行ったりなどの反応が活発になります。

そのため、日をまたいで2,3回同じ本を読んであげることもおすすめです。

8.子どもの反応には、しっかり対応してあげましょう

絵本の読み聞かせ中、子どもが質問してきたり、感想を言ってきたりしたら、いったん読み聞かせを中断して丁寧に対応してあげましょう。

子どもが反応しているときは、考えているときです。
そのため、一緒に子供と考えてあげましょう。
そうすることで、思考力も少しずつ磨かれていきます。

次からは、幼児期の発達に合わせた本の選び方をご紹介してきます。

赤ちゃん向けの本の選び方

赤ちゃん向けの絵本は、子どもの日常生活や、子どもにとって興味のあるあそびや出来事を描いたものが多いです。話の筋自体も単純で繰り返しの構造を持つものが多く、子どもにとって馴染みやすいのが特徴です

それぞれの赤ちゃんの聞く力には差がありますが、基本的にはやさしい本を選ぶようにしましょう。
長く読み継がれているものや、定番と言われるもの、読み聞かせのブックリストでおすすめされているものなどから選ぶと良いと思います。

<赤ちゃんに読み聞かせする本のポイント>
①赤ちゃんの基本的な生活にそった、身近なものや遊びなどが出てくる
②シンプルなくり返しが出てくる
③リズミカルな言葉やわかりやすい言葉、美しい日本語で表現されている
④擬声語や擬態語が出てくる
⑤絵の色彩や輪郭がはっきりしている
⑥見開きに一場面が描かれている
⑦シンプルな絵で描かれている
<赤ちゃん向けのおすすめ読み聞かせ本>
『いないいないばあ』
『おつきさまこんばんは』
『がたんごとんがたんごとん』
『もこもこもこ』

幼児向け(概ね1歳〜小学校入学前)の本の選び方

この期間には言語の獲得や自我の目覚め、それによる自己主張、依存から自立、受動から能動へ、仲間との協調など、心身共に大きな成長をする段階になります。
また、赤ちゃんの頃に比べて、徐々に物語を楽しむことができるようになってきます。

<幼児に読み聞かせする本のポイント>
①絵本の文章を耳で聞いて楽しむので、声に出した時の言葉の響きやリズム感が耳に心地よいもの
②わかりやすく簡潔であること。
③文章と絵がよく合っていて、語りと絵による相乗効果で表現されている作品
④主題がしっかりとしていてわかりやすく、親しみやすく楽しめるもの
⑤昔話は内容を変えたり省略したりせず、正しく再話されているもの。
<赤ちゃん向けのおすすめ読み聞かせ本>
『おおきなかぶ』
『もりのなか』
『てぶくろ』
『みんなうんち』

絵本は子供の大脳辺縁系を活発化させる

読み聞かせ中の脳の働きを調べる実験が日本大学大学院総合科学研究科の泰羅雅登教授を中心とする研究チームによって行われ、この実験によって、初めて読み聞かせの効果が科学的に実証されました。

この実験の結果、聞き手である子どもの脳では大脳辺縁系が活発に働いていることがわかりました。
大脳辺縁系は人間の脳で喜怒哀楽、情緒、神秘的な感覚、睡眠や夢などをつかさどっており、記憶や自律神経活動にも関与しています。

大脳辺縁系は「心の脳」とも呼ばれ。読み聞かせは、結果として子どもの豊かな感情を養い、『心の脳』が育つために役立つとされています。

・発達段階事の読み聞かせ
・1~2歳の時期の読み聞かせ
この時期には、単純な繰り返しの対話パターンにより、会話が成立します。

母親が事物を指差しながら「ほら。これは何?」と子どもに尋ね、「そう、ウサギさんね。」などと事物の名称に焦点を当てた模倣と理解を繰り返す対話パターンは、子どもが事物の名前を学習するのに有効です。

特に2歳頃は、語彙爆発とよばれる急激な語彙獲得の時期にあたり、読み聞かせが話し言葉を豊かにする一つの要因ともなります。

この対話ははじめは、親が手動で行われますが、次第に親子両方で交代しながら対話ができるようになったり、子どもから「これ、なに?」などと質問できたりするようになります。

このパターンを繰り返すことで、親の援助を受けて次第に子どもが能動的に参加するようになっていくという変化があります。

また読み聞かせ初期の会話は、絵本の内容だけでなく、会話を通して本の扱い方や本に関する決まり事、本文化のルールを親が教え、子どもが学んでいく時期にもなります。

ページをめくるという本を読むための当たり前の行為も、子どもは身体技法の一つとして無意識的に身につけていくようになります。

幼児期前半(2~3歳)の読み聞かせ

幼児期前半には、身体を使って絵本に関わる行動が多くなります。
言葉だけでなく、発声や視線、表情、身振り、指差し、姿勢などさまざまな表現をし、子どもは、身体を使って、できるかぎり絵本の世界に関わろうとしていきます。

また読み聞かせを通じて、物語の世界と向き合い、自分が登場人物とつながっているように感じます。
そのため登場人物と同じ動作や口調を真似たり、身体を動かしたりして読み聞かせに参加します。

静かに黙って聞く時期ではないので、もし子供がじっと静かに聞いてなくても怒る必要はありません。
子どもの様子をよく見てみると、読み聞かせをしてもらっている場所が舞台となり、自分も演じ手となり、本の世界に入りきっているのがわかると思います。

またこうした行動は、ごっこあそびなどに発展していきます。

幼児期後半(4~小学校入学前)の読み聞かせ

この時期に、身体全体で表現するのではなく、視覚と聴覚で本と関わるようになります。読み聞かせる親の声を静かに黙って聞くことができるようになります。
そして、心の中で感じたり考えたりするという行動へと変わっていきます。

つまり、今まで親と子と本の三者関係の対話だったものが、親は本の文字の音声を担う役割となり、子どもと本との間の二者の対話、心の中での対話へと発展していきます。

本と子どもの橋渡しとしての親の役目が徐々に減っていき、子どもが一人で本の世界へと関わっていけるようになります。
また、絵の中心に書かれた物に注目するだけでなく、だんだん細部まで注意を向けられるようになるため、物語の流れにのって登場人物の表情などにも注目するようになります。

さいごに

ここまで正しい絵本の読み聞かせ方法や、読み聞かせの効果を解説してきました。

赤ちゃんのころなどは、特に言語がわからないため読み聞かせの意味を疑う人もいます。
しかし、きちんと読み聞かせをしてあげることで、そのお子さんにさまざまな効果をもたらします。

そのため、なるべく時間を割いて、毎日絵本の読み聞かせをしてあげるようにしましょう。

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