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「乳幼児から英語をやらせる意味はあるの?」
「あんまり早くから英語をやらせたら、日本語の発達に影響が出そう…」
「情報がありふれすぎて、どれが正確なの?」
子どもの英語教育に関しては、さまざまな本や情報があり、よくわからなくなりますよね。
英語に啓蒙がある教授や先生方の間でも意見が割れているくらいなので、絶対的に正しい答えは残念ながら現時点ではありませんし、今後も出てくる可能性は低そうです…。
でも、これは仕方ありません。
まず、日本在住と海外在住で環境がガラッと変わるため、英語の勉強法や注意すべき点も変わります。
また、英会話スクールに通えるかどうか、保護者の方々の英語のスキル・能力などによっても変わります。
そのため、万人に当てはまる「バイリンガルになれる方法」は存在しないわけなのです。
(そもそもどこからがバイリンガルで、どこからがそうでないのか、明確な線引もわかりません。)
でも、僕の個人的な意見としては、乳幼児期から英語に触れることでいくつかのメリットがあると思います。
(一時期、ネイティブの先生に混じって幼児~小学生高学年・中学生まで英語を指導していた経験があります。)
そこで、今回は国内外の研究やぼくの経験も踏まえ、乳幼児期に英語に触れる意味やメリット、その後の子どもに与える影響などについてわかりやすく解説していきます。
幼児期から英語を始める3つのメリット
幼児期から英語を始めるとさまざまなメリットがありますが、ギュッと凝縮すると以下の3つにまとまると考えています。
①英語への抵抗感をなくせる!
②「聞く力」「聞き分ける力」が身につく!
③脳への刺激として活用できる!
では、それぞれの点について、もう少し詳しく見ていきましょう。
①英語への抵抗感をなくせる!
最大のメリットは「英語への抵抗感」をなくせるということです。
ご自身もご経験があると思いますが、小学校高学年くらいになると、英語を話すことに抵抗感や恥ずかしさが生まれますよね…。
英語の先生は、
「失敗してもいいんだ!積極的に英語を話すことが大切だ!」
と励ましてくれますし、そのとおりです。
やっぱり小学校高学年くらいから英語を始めると、自分なりに勉強したり、話すことを意識して、英語をとにかく使う機会をもうけることが必要不可欠です。
ただ、なかなか難しいですよね、国内なら正直英語を使わなくても生きていけますし…。
(取材している英語教室の先生方に怒られそうですが…)
でも、英語に限らず、幼児(就学前)~小学校低学年のお子さんたちはレッスンで発言を求めると、ほとんどが「ハイ!」といって元気よく手を上げて、自分を指してくれと言わんばかりの眼差しをこちらに向けてきます。
また、なかには我慢できずに答えを口に出しちゃうお子さんも…(笑)
でも、これは本当にすごいことですし、子どもが自分で自分の英語スキルを伸ばすには必要不可欠な能力だと思います。
ただ、なかなか手を上げたり、発言したりすることができないお子さんも中にはいますよね…。
その理由は英語に限っていうと、「恥ずかしい」「英語が苦手…」「自信がない…」のいずれかに当てはまることがほとんどです。
これは僕もそうです。
他の同級生に比べて上手に発音できないし、カタコトの英語を話すことが恥ずかしくて、なかなか話せないことがよくありました。
ただ、幼児期から、英語のDVDやオンライン英会話、英語教室など、何らかの形で英語を聞いたり、口ずさんだりして触れておくと、
「英語への抵抗感」
「英語を話すことへの恥ずかしさ」
をなくすことができます。
ぼくたちが日本語を話すときに恥ずかしさや発音を気にすることはほぼありませんよね?
それと一緒で、英語をペラペラに話せるとかそういうことではなく、英語に触れられる環境や機会をつくっておくことで、子どもにとって英語は「外国語」ではなく、「もう一つの身近な言語」という認識になります。
そのため、幼児期~小学校低学年のときに英語に何らかの形で触れておくことで、英語のへの抵抗感や話すことへの恥ずかしさをなくすることができるのが最大のメリットだと個人的に考えています。
②「聞く力」「聞き分ける力」が身につく!
幼児期~小学校低学年の間に英語にふれることで、「聞く力」「聞き分ける力」が身につきます。
わかりやすい例でいうと、「L」と「R」の発音です。
ワシントン大学学習科学研究所の研究では、「L」「R」の区別は生後10カ月~生後1歳頃までに学ぶという発表があります。
そのため、英語を学び始める時期に関しては、なるべく早い段階からがよく、この研究を参考にするなら、生後8ヶ月くらいから英語を聞き流せる環境を整えることが効果的でしょう。
これは「聞き分ける力」に該当します。
そして、もう一つ、派生的に身につく力として「聞く力」があります。
「聞く力」とは、「人の話を集中して聞く」「耳を済ませるように聞く」ということです。
少し話はずれますが、小学校受験などではお子さんの「聞く力・姿勢」を見るテストがあります。
また、勉強にしろ、スポーツにしろ、「聞く力」は重要な役割を果たします。
それを身につける一つの方法として「英語のリスニング」があります。
とはいっても、この時期は、子どもはまだ右も左もよくわかっていません。
そのため、英語の子ども向けDVDを流したり、聞き流し用CDを流したりする時間を設けたり、英語の歌を聞いて、親子で一緒に歌ったりするだけでも全然大丈夫です。
そのため、ネイティブの発音を「聞き分ける力」はもちろんのこと、人の話を集中して「聞く力」を身につける方法としても早期の英語は効果的です。
③脳への刺激として活用できる!
もう一つは単純に脳への刺激としてのメリットです。
脳科学では、生後3歳までに集中的に脳内にネットワーク(シナプス)を増加させるとされています。
この時期を臨界期・感受性期と言います。
ただ、言語の臨界期はいくつか説がありますが、「9歳~10歳」が一つの目安と言われています。
もちろん、この言語の臨界期に英語を学ぶことも大切ですが、ここでは英語を英語として捉えるのではなく、脳に刺激を与える一つのツールとして扱っています。
そのため、英語を交えて音楽を聞いたり、リズムに合わせて体を動かしてみたり、ダンスしてみたりすることで、さまざまな刺激を脳に与えることができます。
それが結果的に後の英語学習を手助けしたり、別の側面からプラスの影響を与えてくれる可能性があります。
そのため、脳への刺激を与える一つのツールとして、英語を活用するのも個人的にオススメです。
【日本語の発達への影響は…?】
国内に住んでいるなら心配する必要なし!
よく
「英語の早期教育は日本語の発達に影響を与える」
「日本語がうまく話せなくなる」
と言われています。
たしかに、心配になりますよね…。
いくら英語が大事と言われても、母国語の日本語がしっかり話せないと…と不安に思ってしまうのは自然です。
(ただ、実は英語を「もう一つの母国語」として認識して学習することもこれからは大事になってくると個人的には思っているところもありますが…。)
ただ、国内、つまり、日本に住んでいらっしゃるのであれば、この心配は基本的にいりません。
お父さんやお母さんのご都合で海外に乳幼児期から住んでいる方は別ですが、日本で暮らしているなら日本語の発達は問題ありません。
というのも、確実に日本語に触れる機会のほうが多い環境にあるからです。
おそらく、家庭に置いてある本やポスター、その他諸々すべて日本語だと思いますし、親子の日常会話も日本語だと思います。
また、街中を歩いていても広告や看板などほとんど日本語ですし、お友達なども基本的に日本人だと思います。
そのような環境で、毎日1~2時間英語に触れたり、毎週1・2回ネイティブ講師との英会話レッスンがあっても、むしろバイリンガルや英語を自然に使うレベルにまでもっていくのであれば、ぜんぜん足りないくらいのレベルです。
そのため、「日本語の発達に影響が…」という心配は日本に住んでいるのであれば、基本的にいりませんし、安心して大丈夫です。
むしろ、子どもに英語の素地をつけてもらいたい、バイリンガルに育ってほしいという方は英語に触れる時間を意識的に増やすほうが個人的にはいいと思います。
【いきなり◯◯はNG!】
乳幼児の英語の触れさせ方と注意点
まず、乳幼児のお子さんに英語を「教える」という発想は捨てたほうがいいです。
いきなり、細かい点を指摘したり、「合っている・間違っている」を指摘しても、そもそもその年齢のお子さんは意味を理解できませんし、英語嫌いにしてしまうだけです…。
もちろん、英語教室のベテランの先生であれば、その分ノウハウもありますし、経験もありますから、子どもが勉強していると感じず、楽しく英語を学べるよう「教える」ことができるケースもあります。
ただ、もし家庭でちょっとずつ始めてみたいと思う方であれば、最初からゴリゴリに英語を教えるのはNGです。
というよりは、英語に「触れさせる」という発想が個人的には大切だと思います。
ちなみに、英語のアルファベットを書かせることは早くて年中か年長、もっと言えば小学校に入学してからでも十分です。
文法に関しても早くて小学校中学年(3、4年生)からでいいと思います。
それよりも、まずは「読む」「聞く」、「口ずさむ(≠話す)」ことを意識しましょう。
ちなみに口ずさむとは、聞いたフレーズなどを自然に口ずさむというイメージです。
決して、「話す」ということではありません。
僕たちも耳につくフレーズを口ずさむときがありますよね…。
たとえば「カーモン、ベイビー、アメリカ~」のような(笑)
とにかく、まずは「読む」「聞く」の2つを意識して、英語に触れさせるようにしましょう。
例えば、
✓ 英語による子ども向けアニメや映画
✓ とても簡単な英語で書かれた絵本
✓ 子ども向けの英語の歌・リズム
✓ 子ども向け英語教材・DVDなど
がオススメです。
ただ、これらの教材を用いて、カンペキな英語教育ができるわけではありませんし、親御さんが一緒に取り組む時間をつくったり、一緒に並走して学ぶ意識をもつことも大切です。
でも、英語教室にはまだ通わせたくないけれど、英語には触れさせたいという方にはオススメのツールです。
そのため、まずは家庭でちょっとずつ英語に触れていきたいという方はこのような方法をオススメします。
また、この時期の子どもには多くは求めず、とにかく「英語=勉強するもの、外国語」として認識させないことを重視しましょう。
さらに、「英語=楽しい!」と感じられるように工夫するようにしましょう。
さいごに
ここまで、乳幼児期の英語教育のメリットについてお伝えしてきました。
「あまり英語をはやくから教えたくない」
「日本語の発達が不安…」
という方もいると思いますが、国内に住んでいるのであれば、発達などの心配はいりません。
むしろ、「英語への抵抗感をなくすこと」や「聞く力」、「脳への刺激」などメリットもあります。
そのため、ご家庭で子どもも交えて話し合い、英語教室に通わせたり、まずは英語教材・DVDなどから始めたりなどするようにしましょう。
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