今回は、青森県八戸市の十八日町に位置する幼児教室「リトルデスク」の代表である福田先生がインタビューにお答えしてくださいました。
「リトルデスク」の創立のきっかけや魅力など、充実した内容になっておりますので、ぜひ読んでみてくださいね!
リトルデスクの主な先生方
代表:福田稔(ふくだみのる)
青森県五戸町出身。1978生。
早稲田大学人間科学部卒業、東京大学大学院学際情報学府修了。
大学、大学院では生態心理学を専攻。
在学時は、人の創造性に関心をもって研究。
大学院修了後、通信制大学で教員免許状を取り、教諭として都内の公立学校勤務。
リトルデスクでは、教育コンテンツの開発とカリキュラム編成、講師を担当。
教室長:福田桂(ふくだかつら)
静岡県焼津市出身。1977生。
早稲田大学人間科学部卒業。
卒業後は、都内の大手幼児教室の教室長・講師として幼児教育に従事。
その後、独学で保育士の資格を取得し、都内認定こども園で言語活動専任講師として勤務。
リトルデスクでは、主に数学カリキュラムの編成と教室運営、講師を担当。
リトルデスク創立のきっかけ…
ー リトルデスクを創立したきっかけを教えてください。
リトルデスクは私たち夫婦で創立した教室です。
創立前は、妻は大手幼児教室の教室長、私は公立小学校の教諭として都内で勤務していました。
実践をしながら、2人で様々な教育関係の勉強会に出ているうちに、こんな教育の機会や場があったらいいなという思いが芽生え、いつか自分たちで教育カリキュラムを作り、自由に実践できる場を作りたいと考えるようになりました。
そこで、それぞれの仕事が終わった後に、遅くまでやっているカフェなどでカリキュラム案を練り合って徐々に形を作っていき、ある程度の資金が貯金できたところで創立に至りました。
キャッチフレーズは「自由を学ぼう、楽しもう」
ー このお教室が最も大事にしていること(理念)は何でしょうか?
リトルデスクのキャッチフレーズは「自由を学ぼう、楽しもう」です。
子どもたちがアートや科学について「自分で考えてみてもいいんだ!」「自分で作ってみてもいいんだ!」と思うようになる。
そのことを「自由を学ぶ」という言葉で表現し、リトルデスクの教室で学ぶ子どもの理想の姿として大切にしています。
ですから、レッスンでは子どもたち自身が発見したり考えたりしたことを何よりも尊重し、一般的な理屈や大人の考え方を押し付けないよう注意を払っています。
“体験による学び”を大事にした授業
ー このお教室の強み・特色を教えてください。
リトルデスクでは、レッスンの3分の2以上の時間を体験的な活動で構成しています。
これは、子どもたちの主体的な思考力を育む最も重要な起点が、知識ではなく自分自身の体験であると考えているからです。
例えば、リトルデスクのアカデミーコースには「じっけんタイム」という科学実験の時間があります。
その日のテーマに沿って、子どもたちが自由に試行錯誤して科学を楽しむ時間ですが、自分の手であれこれ試しながら不思議に触れた子どもたちは、自然とその現象について「なぜなんだろう」と考え始めます。
私たちが、理論について答え合わせすることはありません。
わたしたちが、答え合わせをしてしまうと、子どもたちは自分で考える意味を失ってしまうからです。
さらに、幼児だけでなく小学生まで同じコンセプトでカリキュラムを組んでいることは私たちの教室の強みだと思います。
実際に、幼児から通われたお子さんのほとんどが、小学生のカリキュラムも続けて受講されています。
お子さんが楽しめるメニューも盛りだくさん!
ー このお教室が保護者や教室から選ばれる理由は何だと思いますか?
お子さんが楽しんで通われていることだと思います。
特にアカデミーコースの「じっけんタイム」は大人気のメニューで、お子さんが教室に入って来た時の第一声は「今日の実験何?」です。
また、お子さんにいろいろな体験をさせてあげたいという保護者の方の願いにもマッチしているのだと思います。
地方の教育機会は、都内に比べればまだまだ限られていますので、そういった願いをもって受講される方もいらっしゃると思います。
観察力や探究心が育つ!
ー このお教室に通うことで、お子さんが得られる力・スキルはなんですか?
「自分で考えてみよう」「自分で作ってみよう」という主体的・創造的な価値観を学んでほしいと思っています。
さまざまなお子さんがいらっしゃるので一概には言えませんが、長く通われているお子さんの活動を見ていると、観察力や探究心の面に際立った成長が見られます。
これらの力が、主体性に裏付けられたものであることは言うまでもありません。
家庭教育が、より豊かで深い学びにつながる
ー 今までのご経験を踏まえて、伸びるお子さんのご家庭・保護者に共通する事は何でしょうか?
幼稚園や学校の授業と比べると、レッスンの時間はとても短いです。
だから、教室だけでねらいとする学びを完結することはできません。
そこで、保護者の方の家庭教育とのつながりが欠かせません。
教室でやった科学実験をお家でもやってくださったり、お家でも似たような作品作りに取り組んでくださったりすることで、より豊かで深い学びにつながると感じています。
ー 日本の幼児教育にはどんな点が欠けていると思いますか?
幼児教育について、どのような議論があるのかについてそれほど詳しいわけではありませんが、教育について語るときに「どのような教育が正しいのか」という議論になりがちなのは残念だなと感じています。
教育方針を批判し合い、各々の理念の正しさを主張し合う状況は健全な教育環境とは思えません。
子どもたちの教育の選択肢が1つでなく、たくさんあること。
そういう豊かな教育環境ができたらいいと願っていますし、それができるのが社会教育という場だと思っています。
わたしたちも、1つの教育的立場というスタンスを忘れず、できるだけ柔らかに、よりよい教育のありかたについて考えていくつもりです。
教育コンテンツの開発や編成へのこだわり
ー 今までの指導で一番苦労したことは何ですか?
一番苦労しているのは、教育コンテンツの開発や編成です。
特に、科学実験やものづくりのコンテンツは、自分たちでテーマを探してきて授業をデザインしているので、毎回苦労します。
大人が面白い、価値があると思っても、子どもたちが面白い、価値があると感じないのであればだめです。
面白くないものについて、子どもたちが自分から「考えてみよう」なんて、思うわけがありません。子どもたちと実践を繰り返しながら、子どもたちにとって価値ある活動を今後も開発していきます。
新しい発見に喜び、活動へ熱中してほしい。
ー 「指導者でよかった」と感じる瞬間はどんなときですか?
レッスン中の子どもたちの言葉や表情に、発見の喜びや活動への熱中が感じられたときです。
以前、発芽の実験を行なったときのことです。
野菜や果物の食べ物から取り出した種を濡らしたペーパーの上に置き、ジップロックに入れて発芽の観察をしました。
鼻息で飛んでしまいそうな程の小さな種から長い白い根っこが出てきて、緑色の大きな双葉が開いたのを見つけた子が、驚いた表情でしばらく種を眺めて「こんなの、一体どこに隠し持っていたんだ…」と思わず呟いていました。
子どもの発見の感動がぐっと伝わり、大きな喜びを感じました。
また、活動の中で、私たちが想定もしていなかったことを子どもたちが発見したり、思いも寄らない発想でものを作ったりする瞬間も私たちにとって大きな喜びです。
それは、子どもたちが自分自身の力で視点をみつけ、世界を広げた瞬間に違いないからです。
リトルデスクの2つのコース
ー リトルデスクの強み・特色を実現する上で具体的にどのようなメニューや取り組みを取り入れていますか?
リトルデスクには、2つのコースがあります。
学問をテーマにした『アカデミーコース』、
ものづくりをテーマにした『メイカーコース』
の2つです。
幼児の『アカデミーコース』は、知恵や文字を中心としたトレーニング、テーマについて自分の生活経験をもとに友達と話し合う「こども哲学」、遊びながら数学の考え方を学ぶ「数のゲーム」、自由な試行錯誤ができる科学遊びの時間「じっけんタイム」の4つのメニューでレッスンを構成しています。
また、クラスは『年中クラス』『年長クラス』『小学1・2年生クラス』『小学3・4年クラス』『小学5・6年クラス』に分かれており、1クラス6人までの少人数クラスです。
学習の時間はお子さんに合わせた個別指導を行っています。
その他のメニューでは友達と一緒に活動します。
年間44回のレッスンで、年度途中でも随時ご入会いただけます。
また、幼児のクラスは50分授業で10,000円をお月謝としていただいております。
幼児の『メイカーコース』は、たっぷりとした時間の中で多様な造形遊びを体験できる1〜2回完結のワークショップ形式のレッスンです。
また、クラスは『キッズクラス』『ジュニアクラス』の2つのクラスを開講しています。
キッズクラスは目安ですが、幼児から小学校低学年、ジュニアクラスは小学校低学年から中学年のお子さんを対象としています。
定員は8名で月2回隔週でのレッスンです。
さらに高学年のカリキュラムも計画中です。
こちらも、年度途中からでもご入会いただけます。
なお、キッズクラスは保護者の方と一緒での受講です。キッズクラスは50分授業で3,600円をお月謝としていただいております。
ー 1クラスのお子さんの人数と講師の人数を教えてください。
アカデミーコースは1クラス6名まで、講師1名です。
メイカーコースは1クラス8名まで、講師は内容によって1〜2名です。
ー各コース・クラスの対象者やレッスン内容、大まなか流れを教えていただけますか?
アカデミーコースのレッスンの流れは、次の通りです。
まず、教室に来たら自分の課題を確認し、ちえや数、文字などのプリントやワークに取り組みます。
次は、こども哲学の時間です。
カードなどを題材にして「どんな人がうらやましい?」「ヒミツってなに?」など、哲学のお題についてディスカッションします。
3番目に、木製の教具を使った数のゲームに友達と取り組みます。
「数字どろぼう」「立体当てゲーム」など様々なゲームを通して数学的な考え方に慣れ親しみます。
最後に、じっけんタイム。
「うかぶもの、しずむものは?」のようなテーマに沿って、やってみたいことを自由に試して遊びます。レッスンが終わったら、来週までの課題を講師にもらってレッスン終了です。
後日、お子さんの様子を記録したレポートをお送りしています。
メイカーコースのレッスンの流れは次の通りです。
まず、教室に来たらみんなでテーマを確認します。
キッズクラスは造形遊びが中心、ジュニアクラスは加えて映像やエレクトロニクス、文芸などのテーマも扱います。
あとは、講師に必要な道具の使い方や技術を教わりながら自由な創作活動に取り組みます。自分の作品ができたら、友達と作品を発表しあってレッスン終了です。
後日、お子さんの様子を記録したレポートをお送りしています。
子どもたちが楽しく学べる、
さまざまな教材を使用!
ー このお教室ではどんな教材はどんなものを使用していらっしゃいますか?
幼児のアカデミーコースでは、ちえや数、文字などをテーマとしたプリント教材、木製の数学教育専用教具に加え、実施内容に応じて手作りの教材をご準備しています。
また、幼児のメイカーコースでは、テーマに応じてお子さんが試行錯誤するのに十分な造形用の材料や道具をご用意しています。
このようなご家庭にオススメ!
ー 何歳くらいの生徒が一番多いでしょうか?
アカデミーコースでは、幼児クラスからほとんどのお子さんが小学生クラスに進級されるので、小学校低学年・中学年クラスのお子さんが一番多く通っています。
メイカーコースも同様に、小学校低学年・中学年対象のジュニアクラスに通われているお子さんが多いです。
ー 何歳から通うことができますか?
年中さんから通うことができます。
それ以前の年齢のお子さん向けのクラス開講は今のところ未定です。
ー 帰国子女は対応しておりますか?
英語など、外国語での授業対応は今のところ考えておりませんが、ご相談いただければと思います。
ー このお教室は、どんな目的を持ったご家庭やお子さんに合いますか?
幼児期・学童期に日常にはないたくさんの体験をさせたい、あるいは、数や科学などを楽しく学んでほしいと願っている保護者の方にご入会いただいております。
お子さんについては、体験レッスンなどを通して、リトルデスクで行なっている活動が面白そう、やってみたいと感じてくれたお子さんなら、学力を問わず大歓迎です。
ー インタビューは以上になります。今回は大変貴重なお時間を咲いてくださり、誠にありがとうございました。
このインタビューをご覧になって、ご興味をお持ちになった方はこのお教室の理念やコース、授業料などの詳細をチェックしてみてくださいね!
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